忙しい人のための走れメロス+α

20文字まで。日本語が使えます。

全文


『忙しい人のための走れメロス』


 メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。

 メロスは、単純な男であった。怒りのままに王城に入って行き、そのまま邪智暴虐の王の前に立ちはだかった。


 メロスが己の状態に気がつくのに、そう時間はかからなかった。ひとりの少女が、緋のマントをメロスに捧げたのだ。少女の頬は、真っ赤に染まっていた。

 なぜだか王の横で磔にされている親友のセリヌンティウスが言った。

「メロス、君はまっぱだかじゃないか」

 メロスも、ひどく赤面した。

 王も、少し赤面していた。

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