テレパシー
セミが鳴く表参道
流行りのお店が並ぶ道で男はおでこにじんわり汗をかきながらスマホをいじる。
「アチィねぇ」
ポッケからタオルを出して汗を拭き、チラッと少し遠くを見ると綺麗な女性と目が合った。
ドキッ
「かわいい…」
そう思った瞬間、脳内に女性の声が聞こえる。透き通った声が男の脳内で響いた
【初めまして】
「は、初めまして。」
【あなたの素敵な顔に一目ぼれして…】
「え、ほ、ホントに」
【はい。好きになりました】
脳内で聞こえるその声と遠くにいる女性を合わせながら鼻の下を伸ばして少しずつ近づくと、その女性はどこかに歩いて行ってしまった。
「どこ行くんだよ…」
【ついてきて。私の後ろをゆっくりと…】
少し先を歩く女性の後ろをゆっくりとついて行った。その間も脳内で声が響く。
気がつくと交番についた。
「この人がずっとついてくるんです」
女性は足早に交番の前にいる警官に慌てて話しかけた。その場には三人だけがいる。警官は男に気がつき、男に近づく
「この女性のストーカーみたいだな」
「違います。脳内に彼女の声が聞こえたんです。」
「は…お前何言って…まぁ、とりあえず逮捕する」
男はその場で捕まった。
[ああ、面白かった]
[なにしてんだ]
[地球人にちょっとイタズラした]
[いずれ征服するんだ。それくらいにしとけ]
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます