マインドの創造

@akkiey-lz-1969

第1話 プロローグ

自分は何故生まれたのだろう

誰も知る由がない


鳥は毎朝 卵を産み

その卵はやがてフライパンの上にて焼かれ

スクランブルエッグになる

時にはエッグベネディクトになり、スコッチエッグにもなりえる

生命が生命を繋ぎ”食としての芸術”を創造主が創り出す


「1.2.3.4.5・・・・」

慎司は自分の指が5本あることを確認した

「1.2.3.4.5・・・・」

慎司は再び自分の指が5本あることを確認した


「慎司さんお食事ですよ」

白衣を纏う天使が慎司を誘う


慎司は虚ろな目をしながらゆっくり歩き

家畜が”出された食事”を食べるように

朝の”仕事”を終えた


天使の名は無い

彼女は仕事の一環で、慎司に食を与えているのだ

彼女は毎月の家のローンを払い、大好きな洋服を買い

DV気味の男に貢ぐ為に、彼女は働いている

慎司も気付いていた


「院長先生~ 慎司さんの食事を済ませました」

「ありがとう!慎司さんの調子はどうだった?」

「今日は、大丈夫みたいです。でも・・・」

「でも・・・? どうかしたの?」

「今日は指を数えてました・・・

 昨日は他の患者の耳を数えていて

 3日前は自分の腕の毛を数えてたんです」

「彼は生きる為に、数を数えている。

 ここに、来たばかりよりも落ち着いてるんだ

 良いことじゃないか・・・

 彼は何かを数える事によって精神を落ち着かせる

 先週、私の顔に傷をつけたからって心配しなくて大丈夫だよ。」

「そうですか・・・」

院長は天使の肩を撫でて去っていった

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