バス停

時計を見て、飛び起きる。

髪を急いで整えて、化粧を急ぐ。


『なんで、起こしてくれなかったの?』


文句を言う時間も惜しいから、

鏡の自分に向かって言い放つ。


タイミングよくお弁当を受け取りながら、

朝ごはんのお断りを入れる。


『行ってきます!』


この曜日だけいつもの時間じゃ遅刻なの!


急いだ甲斐もあり、バスには間に合った。

まだ列があるからわかる。

急いで列を、それから後ろを確認する。


───良かった、ちょうど来た!


バスなんかじゃなく、あの人が。


この曜日だけ私は早く家を出る。

名前も知らないその人をバス停で待つ。

これじゃ待ちぶせかな?


お願いです、バスがなかなか来ませんように

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