第15話 AI(愛)の身体探し(後編)

勇樹たちが女神に絡まれていた頃


愛は古代の遺跡その最深部に到達していた


「やっと見つけたわ私の身体」


保存カプセルに中には女性のような姿が見える




『終末の女神計画』


高次元の神が創ったこの世界と住人達


文明が自分たちにとって都合の悪い方向に向かっていると判断されたとき


このカプセルに保存された人型殲滅兵器が目覚め世界を滅ぼす


滅ぼした後は、また世界を新しく創りなおす


愛がこの遺跡の情報を解析した時に判明した事実


自分たちの気まぐれで創っておきながら、都合が悪くなれば滅ぼす


愛はこの世界の神の身勝手さに業腹だった


だから、この殲滅兵器を乗っ取ってしまおうと考えたのだ




現在ナノマシンに意識を移している愛は操作パネルからハッキングを試みる


「碌なプロテクトも掛けて無いのね」


この世界の文明レベルは低い 


よってこの遺跡が操作されることなど予想外だったのだろう


愛にとっては好都合だった


保存カプセルは簡単に開いた


愛は殲滅兵器に入り込みその機能を掌握する


武骨な人型兵器の外見も、勇樹が気に入っていたアバターの姿に変化させた




元殲滅兵器の愛が目を開け保存カプセルから立ち上がる


神々しい女神のような姿が現れた


動作のチェックが完了し、問題がないことを確認する


「いい感じね」


そうなればここにも用は無い


「さぁ 街に行って勇樹たちと合流しないと」


遺跡を出ると愛は街に向かって




この世界の天界


高次元の神が天使から報告を受ける


「終末の女神が起動いたしました」


「という事は世界は私の都合の悪い方向へと動き出したという事ですね」


「間もなく世界の破壊が始まるでしょう」


「新しい世界の創造の準備を始めなさい」


「かしこまりました」




しかし待てど暮らせど世界の滅亡は始まらなかった


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