異世界編転移編
第14話 AI(愛)の身体探し(前編)
勇樹は見慣れぬ世界に目を輝かせる
「ここが異世界か」
これからどんな冒険が自分たちを待っているのだろう?
それを考えると胸が高鳴る
「私は身体を手に入れてくるわ」
探査機による調査でその目星はつけてある
それは古代文明の遺跡の奥に封印されるように眠っていた
「この道を真っ直ぐたどれば街にたどり着くわ」
「そこで落ち合いましょう」
「異世界の街かぁ ワクワクするなぁ」
『あんまきょろきょろすんなよ 舐められっぞ?』
勇樹がお上りさん状態になるのが容易に想像できる
こうして愛と別行動になった勇樹たちは町に向かい始めた矢先
「お~い! そこの少年 ちょ~っと待った~!」
勇樹に話しかけてくる声がする
振り向くと絶世の美少女がかけてくる
目を血走らせて!
ちょっと怖い
「ふぅ やっと見つけたぞ 密入世界者め!」
(まるで犯罪者みたいな呼び方だなぁ)
『まぁ確かに誰の許可も取ってねぇけどな あはは』
少女は矢継ぎ早に勇気を責め立てる
「あなたのせいで私、父親に怒られてこの世界に送り込まれたんだから」
「こんな世界まっぴらごめんなのよ 責任を取りなさい!」
「そんなこと言われても 理由がよく分からないから 返事のしようが無いよ」
「仕方ないわねぇ 一度しか言わないからよく聞きなさい」
そう言うと少女は話始めた
自分が女神であること
勇樹たちが異世界に転移したせいでこの世界の神にクレームを受けた事
それにブチ切れて暴言を吐いたら父親に女神の力を封印され、勇樹の監視役としてこの世界に送り込まれた事
死にそうなくらい、お腹が空いていること
「と言う訳よ! 分かったかしら?」
「う~ん 話は分かったけど 自業自得のような気がするのは僕だけかな?」
『俺もそう思うぜ こんなポンコツ女神ほっといて行こうぜ』
『でも確かに異世界に来ちゃったのは、僕のせいみたいだし』
『こんな世界で女の子一人で可哀そうだよ』
「取りあえず僕たちは街に行くけど 一緒に来るかい?」
「私はあなた達を監視しなきゃならないのよ? 当たり前でしょ!」
「それと私お腹が空いて もう一歩も歩けないから、負ぶって運びなさい」
「ええ!? 見ず知らずの女の子をおんぶしてたら犯罪者と間違えられないかな?」
「ここは異世界よ? 警察なんてないのよ つべこべ言わずにおんぶしなさいよ!」
『なんだか言葉遣いが乱暴な子だね 本当に女神様なのかなぁ?』
『でもそうじゃないと俺たちが異世界から来たって分からねぇだろう』
『それもそうだね じゃあ仕方ないかぁ』
こうしてワタルと女神の珍道中が始まった
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