第13話 女神のクレーム対応

私は女神 アスタルテ


今目下クレーム対応中


「いったいどうなっているのかね?」


「そちらの世界から無断で転移してきた者が居るのだが」


散々こちらの世界の子供たちを召還し


勇者と言う使い捨ての兵器に仕立て上げている


その張本人が良く言えたものだ




「それでどうしろと?」


「どうするのかこちらが訊いているのだ」


文句を言っときながら解決策も決められない


こいつダメな上司の典型的な奴だ




「じゃあ 送り返してください」


「何故こちらがそちらのおちどのあとしまつをせねばならんのかね?」


高次元だかなんだかしらねぇが蹴飛ばすぞ! こら!?


とは口が裂けても言えない




「責任を取ってもらいたい」


「何をしろと?」


「それを考えるのが君の仕事だろう?」




「知るか!」


もう頭に来た!


「なんだと高次元の神である私に向かってなんたる口のきき方だ!」


「こっちも忙しいんで」


「いちいち無断で転移とか監視してないんで」


「それと勝手に転移しても、うちのかわいい子供なんで」


「手を出したらこっちも喧嘩上等なんで!」 


「そこんとこよろしく!」


通話終了っと!


ああすっきりした!


後で主神である父上からめちゃ怒られた




「お前には少々甘やかしすぎたようだ」


「しばらく女神の力を封印する」


「そして向こうの世界に転移した者たちを監視しなさい」


「ではいってらっしゃい」


「おい! 何言ってんだ親父 まてこらっ ああああああああああ!」




って訳で


今私は絶賛異世界にいる訳だが


親父の奴マジで女神力封印しやがった!


ガッデム!


しかも着の身着のままで異世界に放置しやがった


鬼畜だ!


それでも主神か? 


いやそれとも悪魔か!? 邪神か! その類か?




しかも無断転移者ってどこにいるんだ?


もうちょっとピンポイントで転移しろよ!


それでも神か!


クソ親父め!


って言うかどうやって子供達は転移した?


召喚の連発で世界間にひずみや裂け目が出来やすくなってる


そこからこっちに来てしまう


『迷い人』と呼ばれる子供らもいるから


多分今回もそうだろう そうに違いない!


てか、やばいお腹空いてきた


はやく転生者探さなきゃ


それで何か食べ物奢らせなきゃ


死んでしまう


いや私不死だった! 


じゃあ死にはしない


さすがにくそ親父も不死性まで封印しないか?


いややりそう・・・


とにかくターゲットを早急に見つけて食い物ゲットだぜ!




こうして女神のミッションは開始された



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る