悪銭身につかず

矢魂

悪銭身につかず

 へへへ……。ひい、ふう、みい……。たまんねえな。俺は今日の獲物を数えながら舌なめずりをした。

 昔から悪銭身につかず。なんて言葉があるが関係ねえ!手に入れた金はパーっと使う。そいつが俺のポリシーさ。無くなったらまた稼ぎゃいいだけの話だ。無論、俺様が正攻法で稼ぐわけないがな。

 そんなことより祝杯だ!俺はポケットからジャラジャラという音を響かせながら今日の獲物を手のひらに乗せる。そして一枚一枚硬貨を自動販売機の中に投入した。ガコンッ!という音と共に黒いラベルの炭酸飲料が排出される。

 ……くぅー!!やっぱ一仕事した後のコーラは染みるぜ!……さて、また獲物を探すとするか。

 そうして俺はまた、手近な棒で自動販売機の下の小銭を探り始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

悪銭身につかず 矢魂 @YAKON

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ