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 空調が程よく効きあまり明るくはない店内。ぼんやりとしたライトに照らされている。無論、煙草の匂いはない。禁煙だった。流行のドリンクを飲まされている。まずいとは思わないが価格に見合った味かと言われると微妙だ。ただ、こうして3人で集まる機会はあまりない。

 貴重な時間。

「時間かかったみたいだけど」

「悪かった」

「そーじゃないよ、大丈夫だったのかなって、すぐそーいう考え方するんだもん」

 こうした時に話を切り出すのは大抵が凛。志保はあまり喋らない、というよりか今は慣れないドリンク相手に不思議な表情を浮かべながら懸命にチューチュー吸っている。

「志保もあまりこういうのは飲まないの…?」

「いや飲むんだけどね、この味は試した事がなかったの」

「はー、やっぱり最近の若い女子って感じだねぇ」

「イヤ、れいも若い若い」凛の容赦ない事実勧告。

「あたしゃババアだよゥ」

 駐車場で悶着を起こしシロナに片付けをさせ直接会って情報を仕入れ、最上階の一室からの眺めはそれなりに壮観だった――、そうしている間に二人は原宿で何かをし渋谷で買い物をしていたらしい。荷物はそれなりにあるがトランクに放り込めるだろう。

「アレぇ、違う香水の匂いがするぞー?」

「凛、あなた軍用犬にでもなった方がいいんじゃない」

 確かにシロナが使っている香水の匂いはそれなりに強烈だ。極度の潔癖症な彼女は在宅時には一日に少なくとも三回は入浴する。その度にパルファンを振りかけるので匂いが残る。そして彼女の人に接する距離は異様に短い。何処となく外見はレア・セドゥを彷彿とさせる。

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