イトが切れる

ぷつん,

ときれてしまった。


四肢は空中に放り出され、上手にいきもできないままおちていく。


さっきまで

ほんのついさっきまで

あんなに元気だった心が急に墜ちていく。


なにをみても、

なにをかんがえても、

心は悪い方にしか動き出さない。

忘れたいいやな思い出ばかり思い出す。

考えられる最悪な未来が見えてくる。


きっかけはなに?

なんでこうなった?


しょうもないこと。笑い飛ばせるようなささいなこと。

でも,心に刺さったチクッとしたとげが

心の感情のつぼをおしてしまった。


そのツボを押したらダメだったのだ。

押したら,辛さがわっとでてきた。


今まで隠してた感情が。

その一撃でワット壊されてしまったのだ。


こうなるともう楽しいことが考えられない。

とどまることを知らず、

切れた糸に捕まり直すこともできず

地の底へと、深いくらい感情の海の底へと墜ちていってしまう。


でも不思議なことに海底とそらはつながっている。


落ち続けた先にもう一度空がみえる。

すがすがしい真っ青の色の空をみえると

あそこにいれば私はまたイトにつながれていて

楽しい気持ちで浮いていられるのだ。


だから

糸が切れたら

じっと抵抗せず自然体でおちていく。

この地と空の

どっちがほんとうの自分なんてわからないまま。


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