14.幸運の種

フロアボスを倒し、無事ダンジョン制覇をした俺はある一つのスキルを使ってみた。


 振り返ってみようではないか。


 「スキル発動、ダンジョンマスター」


 『畏まりました。このダンジョンの管理者権限がイズモ様に与えられます。宜しいですね?』


 「OKだ」


 『では今後このダンジョンの所有者はイズモ様になりますので自由にマップ入れ替えやアイテム配置などが可能です』


 成る程、スキルダンジョンマスターで俺がダンジョンの管理者権限を手に入れたから、このダンジョンは俺が自由にできるのか。


 今後ダンジョン制覇を目的とするやからがいるかもしれない。可愛そうだから、最上層に巨大グレムリンの肉を宝箱にしまおう。


 こうして俺はダンジョン最上層に巨大グレムリンの肉を配置し、無事にこの塔のダンジョンのダンジョンマスターとなった。


 

 さて現在エルグランに戻って一休みしている俺達は同じ宿屋のベッドで涼んでいた。


 「イズモ様次はどこへ向かわれますか?」


 「決めてない。ここで少しクエスト受注しクリアしてお金を稼いだら、適当に次の都市へ向かう」


 俺とラミルの話にミリアが会話に割って入ってきた。


 「イズモ、ここから北にある雪が降る都市スノータウンに行きたい。駄目?」


 真っ直ぐに純粋な瞳で見られると困るな。何せ滅茶苦茶可愛い。


 ちなみにミリアについて説明しておこう。先ずは銀色の髪で銀色の瞳の美少女だ。


 年齢は15歳と言っていた。つまり俺と同い年だ。


 胸の大きさはアフィアより大きくラミルやミラより小さい。まあまだ裸は見ていないがきっと綺麗でこぶりな胸なのだろう。


 「よしじゃあ少しエルグランに滞在したら、次はスノータウンに向かうか。異論ある者いるか?」


 「イズモ様異論ありません」


 「イズモさん私も異論ありませんよ」


 「しょうがないわね付き合うわ」


 よし意見がまとまったところで自由行動にしよう。


 こうして俺たちは各々おのおの自由行動をすることにした。



 さて俺は一つ忘れる前に使っておこうと思ったものがある。


 そうそれは幸運の種だ。何しろついに幸運の種を手に入れることができたのだから。


 ああその前にマリアにお願いしたことがあったんだった。危ない危ない忘れるところだったぜ。


 「おいマリアお願いしたいことがあるんだが」


 「今ゲームプレイ中ですよイズモさん。コース作りにハマっています」


 うん!? 何のゲームだ? コース作り、ああ某有名ゲーム会社の有名作品のクリエイトゲームだな。


 「楽しいか?」


 「はい楽しいです。しかしクリア率が低すぎてクリアできないコースが多々あるんです。不覚ですこの女神が人間の作ったゲームをクリアできないなんて」


 「いや駄女神だから」


 「それで何のお願いですかイズモさん?」


 華麗に駄女神発言をスルーしやがった。このメンタルの強さよ。俺も見習おう。


 「ああステータスボードが見づらいんだ。一々一覧全部が表示されるからな。一部分だけを見ることを可能にしたいんだが」


 「分かりました。ステータスボードのアップグレードを行いますね。これで一部分だけ見ることができます」


 「感謝するマリア、ではまた」


 「はいはいまた何かあれば私に連絡くださいね」


 ああ頑張れマリア。人間に負けるなマリア。ゲームをクリアしろマリア。



 さてステータスボードの確認を行うか。


 「ステータスオープン」


 『どのステータス一覧を表示いたしますか?』


 おお無事にアップグレードされたようだな。さすが仕事が早いなマリア。駄女神だけど優秀である。


 「アイテム一覧を表示したい」


 『畏まりました。アイテム一覧ですね』



 アイテムボックス:幸運の種

         :ポーション

         :ミノタンの鱗

         :ミノタンの肉

         :ゴブリンの肉×10

         :ノコギリ

         :斧

         :光石×5

         :燃料石×15

         :金属石×10

         :魔法石×2

         :身分証明書(パスポート)



 おお見やすいな。これは便利だな。


 さてここからが本題だ。幸運の種を使用するか。どれくらい幸運の値が上昇するのだろうか? 非常に気になる。


 まさかカンストしないよな? いや流石にないか。


 俺はアイテム一覧から幸運の種を使用した。


 「幸運の種を使用する」


 『畏まりました。幸運の種を使用ですね。もう一度聞きますが本当に幸運の種を使用して宜しいですか?』


 いつまでも持ってても宝の持ち腐れだしな。使ってしまおう。


 「ああ使用する」


 『畏まりました。では幸運の値をステータスボードで確認して下さい』


 俺は右目に手を当てて格好つけて詠唱する。


 「ステータスオープン」



 ステータス

 レベル:∞

 名前:イズモ・リゼル・アルフォード

 種族:人族

 武器:鋼の剣

 防具:布の服

 職業:チーター


 攻撃力:∞

 防御力:∞

 魔法力:∞

 俊敏性:∞

 幸運 :1000



 おお上がったな。って……幸運の上がり方低っ!? これカンストまで相当な道のりだぞ。


 999上がった事になるのか。毎回999なのか気になるな。マリアに確認だ。


 「マリア聞きたいことがある。再びすまん」


 「クリアしましたよイズモさん」


 大喜びでマリアは俺に話しかける。


 「お、おお。おめでとう」


 「ありがとうございます。歓喜のあまり涙を流してしまいました。それで聞きたいこととは?」


 「幸運の種を手に入れて使用したんだが、毎回999上がるのか?」


 「いえ幸運の種が上げる数値はランダムです。しかし必ずキリがいい数字になりますので今回の場合だと999だったのでしょう」


 成る程ランダムなのか。これは面倒くさいな。世界に幸運の種は何個あるか分からないが骨が折れそうだ。


 「ありがとう、駄女神マリア。ゲーム頑張れよ」


 「はいイズモさんも異世界生活満喫してくださいね」


 何故か俺とマリアに固い固い友情が芽生えた気がした。いや絶対気のせいだな。


 

 「ステータスオープン」



 アイテムボックス:ポーション

         :ミノタンの鱗

         :ミノタンの肉

         :ゴブリンの肉×10

         :ノコギリ

         :斧

         :光石×5

         :燃料石×15

         :金属石×10

         :魔法石×2

         :身分証明書(パスポート)



 俺はアイテムボックスから幸運の種が消えたことを確認して、ステータスを閉じた。


 後で光石を使用して閃光弾でも作るか。


 こうして俺はついに幸運の値の上昇に成功した。


 よし俺の人生の目標は幸運の種入手と、ハーレムづくりと、不老不死アイテムを入手することだな。


 魔王は保留しておこう。


 

 その後俺はミリアと共にクエストを沢山クリアしてお金を手に入れた。


 最後にステータスボードでお金とパーティーメンバーを確認して、就寝しゅうしんしよう。


 「ステータスオープン」



 パーティーメンバー:イズモ

          :ラミル

          :アフィア

          :ミラ

          :ミリア


 ※パーティーメンバーは経験値を共有できます。


 

 所持金250000ゴールド



 よし少しはお金に余裕ができただろう。これでアイテムを明日何か購入するか。


 アクセサリーが欲しいな。格好いいやつが。


 それからパーティーメンバーにミリアが加わった。


 さて今日は疲れたのでここまでにするか。


 おやすみなさい。

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