どうか憂いを。
望月 憂
君に水
夢を見ても、いつか枯れちゃうよな。
君の溜息と同化したような笑い方が
私は心底嫌いだった。
「私が鳴いたら君は来てくれる?」
なんて、馬鹿らしいか。嘲笑が零れる。
ベッドに広がる傷んだ茶髪。
そろそろ切ろうかな、
呟いた声で穏やかに微笑みたかった。
どっちでもいいんじゃない、
呟かれた声で頬を濡らしてほしかった。
さっき離した右手はもう私のものではない。
容易く誰かに奪われた。
こういう時、簡単に縋れるオンナノコは
いやらしいと思う。
負け犬の遠吠え、ああ本当に
分かりたくもないな。
グルグル巻き戻して、永遠に君のそば。
終わらないジレンマ。シンプルな答えなんて何処にもない。
どうか、日々に水を。
君と私に透明な愛を与えておくれ。
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