この世界は僕らを知らない
日常言葉
プロローグ
この世界に、私はいない。
人々は私のことを気に留めない。
いや、気づいてもいない。
帰る場所など、もう無いのだと分かっているのに。まだ私はーー
人知れずついた溜息は、文字通り誰にも知られずに、私を知らないこの世界へ消えて。
そう。知らないのだ。
この世界の誰一人として、私のことを知らない。忘れていることもーー知らない。
それでも、私は。
私は、この世界に存在している。
けれど、どんなに声を張り上げようとも、この声は、届かない。
でも。それでも。
私は、この世界にいるのだ、と。
私の心は、ずっと叫んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます