不倫大学

有紗

第1話(男性編)題名の由来

その夜7才年上の姉の部屋で友達5名が女子会をしていた。

私は早くから寝かしつけられた。しかしヒソヒソだったり、キヤッキヤッだったり怪しげな雰囲気にアンテナを立てずにはいられない。

途切れ途切れの会話からどうやら一冊の本の内容で騒いでいることが分かった。

「この次に会うまで、この本を貸してあげるわ」

「いやーん!こんな本、親に見つかったら困るわぁ何処にかくそうかしら」

翌日私はこっそり姉の部屋に入った。怪しげな本はどこに?

本棚は最初から無視した。ピンッ!ときた直感で、無造作に下着が突っ込んである引き出しの底を探ってみた。

あった!「おんな大学」古びた薄っぺらの雑誌の半分位の本。貝原一軒作。

汚い表紙をめくり飛び込んできた文章に気絶しそうになった。

慌てて本を閉じその後は読んでいない。何が書いてあったのか?

大人になって読んでも、刺激的な内容だろうか?

それ以来この本について調べることも誰かに話したこともない。今更、調べたところで、読んだところで、あの少女の頃のショックは再現できない。

「〇〇大学」このフレーズは私にとって、媚薬に値する、死ぬまでに一度は使っておきたい魅力的な言葉となった。

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