セント・アーリアス戦記
えっさほいさ。
序章 開戦の狼煙が上がるとき
ドォォーーン……ドゴォォーーン…
遠くから衝撃音が聞こえてくる。音からして魔道砲を撃っているらしい。
「学院の中だけの争いだというのに、随分と物騒なものをもちこんでんのねぇ。」
「魔道砲以上の威力で魔法をぶっ放す奴に言われたくねぇだろ。」
「それ、言い得て妙ねぇ…」
「ちょっと、二人して真顔でしみじみと納得しないでよ!?」
魔道砲がとめどなく発射されているというどう見たって焦らざるを得ない緊急事態にも関わらず、教室で呑気に冗談を交わす3人組。いつ死ぬかわからない恐怖にガタガタと怯えている周りの生徒とは明らかに対照的である。
最初に口を開いたオッドアイの少女は、教室内にいる十数人もの生徒の状況を確かめ、壇上に上がり大声で叫んだ。
「いいか!もう戦争は始まっている!ここからは生きるか死ぬかの戦いだ!尻込みしていればあんたらの命は簡単に刈り取られる!逃げて無駄死にするくらいなら、少しでも早くこのくだらない戦争を終わらすために戦え!」
怯えていた生徒たちは、少女の演説を聞き、うちに秘めた力、「闘志」がメラメラと燃え盛るのを感じた。
「そうね…大人しくやられるくらいなら、俺はやるぞ!」
「こんなところでくたばるわけにはいかないわね!」
生徒たちの闘志に火がついたことを感じたオッドアイの少女は、先ほどまで呑気に自分にツッコミを入れていた残りの二人-少年と金髪の少女に目を向けた。二人が強い決意を込めて頷いたのを確認すると、少女はニヤッと笑い、右手を強く握って思いっきり突き上げた。
「2年の目標セント・アーリアス内で起こる戦争を終結!そのために這いつくばっても立ち向かえ!いくぞぉぉおおお!!!!」
「おぉぉおおお!!!!」
こうして、後世、セント・アーリアス学院で語られることになる大戦争が勃発した。
セント・アーリアス戦記 えっさほいさ。 @matsurihoisa088
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。セント・アーリアス戦記の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます