星に願いを込めて

樹(いつき)@作品使用時の作者名明記必須

星に願いを込めて

一週間前からソワソワして落ち着かなかったあなた。今日は待ちに待った流星群が見られる日。


「俺のお気に入りの場所なんだ」って言って、車で街の光が見えない山頂近くまで来た。


「空気が澄んでるから、きっと綺麗に見えるよ」って心踊らせているあなたがとても愛しく思えた。


「やっぱり冷えるね」とはぁ~と手に息を吹き掛けている。本当だ。息が白く見える位に冷えてきた。


用意してきたホットコーヒーを差し出すと「ありがとう。生き返る~」と言って飲んでくれた。


寒そうに首を縮めてるあなたに、フワッと赤いマフラーを巻いてあげた。

この日に間に合うようにこっそりとマフラーを編んでいたのだ。


「わぁ~あったかい。わざわざ俺の為に編んでくれたの?嬉しいよ。ありがとう」と喜んでくれた。


流星群を好きな人と見られるなんて本当に幸せだ。

[この人とこれからもずっと一緒にいたい]と思いながら満天の星空を見上げると、ちょうど星がスーっと流れて行った。


この願いが叶いますように。

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