『執行猶予』

『執行猶予』

　『判決。　地獄行きを命ずる！。ただし、地球上で、執行猶予65年。まっとうした場合は、再審査を行う。』

　65年か。

　あっという間だったなあ。

　そんなことは、すっかり、忘れていた。

　『宇宙空間裁判所』か、久しぶりだなあ。

　出世は、ぜんぜんしなかったが、大きな罪は、犯さなかった、と、思う。

　しかし、そこがどう判断されるのかは、わからない。

　もう一回、地球上で、再挑戦したい気もするけれど、確信じゃない。

　おや、あの方は、ぼくより、ちょっと前に亡くなった、どこかの国の偉い方だな？

　あれは、『地獄落とし』の儀式だ。

　気の毒なことだが、しかたがない。

　こうした世界に、ダーク・マターとか、ダーク・エネルギーとか、が関わってるのかどうか、ぼくにはさっぱりと、わからないや。

『どうぞ、あなたの番です。』

　天使が招いた。

　これは、臨死体験かな？

　いや、初めてじゃないから、そうでもないだろう。

　前回は、聞き落とした。

　そんなことは、考えなかったんだ。

　でも、今回は、前より少し知恵がついた。

　是非、裁判官さまに、聞いてみよう！

　どうやって、ここに、就職したのかも。

　・・・・・・・・👼・・・・・・・・・

　　　　　　　　　　　　　おしまい