北風と太陽とカクとヨム
ちびまるフォイ
カクもヨムもどっちもえらい
北風と太陽は今日も日がな一日カクヨムして過ごしていた。
どうして異世界ファンタジーの主人公はやたら上から目線なのかが気になった北風は
ググって答えを出した後に太陽にまったく関係ないことを聞いた。
「カクとヨムって、どっちが偉いんだろうな?」
太陽はコンマ数秒で即答しました。
「そりゃもちろんカク側だろう。だってクリエイティブだもの。
0から1を作り出すほうが偉いに決まっているだろう」
それを聞いた北風はムッとして反論しました。
「おいおい、お前の書いているものはただのアイデアのメモ帳じゃないか。
クリエイティブなどと言っているが、内容がともなってないものは創作じゃないぞ。
お前が言っているのはうんちを出してそれをクリエイティブなどと言っているだけだ」
「なんだと。ただヨムだけのほうが偉いというのか?」
「とうぜん」
北風はぴゅーと口笛を吹きました。
「考えても見ろよ。ヨム側が居なければなにもなりたたないだろう?
どんなものにもヨム側がカク側に応援やエネルギーを与えているから回っているんだ。
創作などと偉そうにしているが、その土台を支えているのはヨム側じゃないか」
「アイドルよりもファンの方が偉大だと言いたいのか」
「ファンが居なければアイドルなんて続かないだろう」
「いいや、そもそもスタートを考えてみろよ北風。
カク側が作品をカクからヨム側が生まれるのだろう?
いわば創造主。後追いのヨムのほうが偉いなんておかしいじゃないか
「待て待て。いつから偉いのは先着順になったんだ」
「足の早い小学生はモテるだろう」
「なんの話だ」
北風と太陽はお互いの意見をぶつけ合って積乱雲を発生させて、
甚大な自然災害を起こしながらもお互いの溝が埋まることはなかった。
「カク側が偉いに決まってる!」
「ヨム側が偉いに決まってるだろ!」
意見は平行線。北風と太陽は悩みました。
「そうだ。なら、どちらがえちえちかで決めようじゃないか」
「なるほど! そうか!」
平行線の先で座標した話し合いは偉いからエロい方を決めることになりました。
でもお互いの方針は変わりません。
「えちえちで言えばやっぱりカク側だろう」
「待てその理屈はおかしい」
「カク側は自分の趣味趣向、考え方までを作品に落とし込むんだぞ。
ある意味で心の露出狂とも言えるだろう。カク側のがえちえちだ」
「いいや、だったらヨム側のほうがえちえちだ。
カク側のえちえちなものを片っ端からとっかえひっかえにヨムんだぞ。
これ以上にえちえちなことがあるか」
「なんだと。カク側だって他の作品の要素を勉強したり取り入れるぞ。
他の作品のえちえちな要素を自分の中に取り込んで、
さらにアレンジして発散するほうがずっとえちえちだろ!」
「ヨム側はそのえちえちな自己表現を見たうえで、
さらに自分からコメント等で応援したりすることもあるんだぞ。
えちえちの上位互換。ヨム側のがえちえちだ!」
「なにをわけのわからないことを! カク側のがえちえちだ!」
「えちえちの何がわかる! ヨム側のほうがえちえちだ!」
北風は台風を巻き起こし、太陽はヒートアイランドを引き起こす。
決着のつかない二人の論争に旅人が割って入った。
「君たち、ずいぶんと程度の低い争いをしているようだね」
「「なんだと!」」
「もっと上を見てご覧よ。カクよりも、ヨムよりもえちえちな存在がいるじゃないか」
「カクよりも?」
「ヨムよりも?」
「そうとも。そいつはカクこともあれば、いろんな作品をヨムこともある。
さらにはヨんだ作品をあけっぴろげに宣伝することすらある。
それだけじゃない。カク側を増やそうと呼び込んだりしている。
挙句の果てに自分で作品にも干渉できるんだぞ。これ以上えちえちなことがあるか!」
「な、なんだって! とんだえちえち小僧じゃないか!」
「おしえてくれ! そいつは誰なんだ!!」
旅人はその名を口にした。
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