見切りをつけた

「いい加減にしてよ!」


 私は叫んだ。


「なんでいつもそうなの? どうして、自分が不利になるようなことばかりするのよ? 盗作・パクリ・批判……。あんただからっていままで我慢してきたわ。でも、もう限界なのよ! こんな人を庇っていられるほど、余裕はない! 私はこんな人を気に入りたかったわけじゃないわよ」


 一息に語った。

 けれど、彼は反応しない。


「思い知らせてやる。これがあんたに対する失望なのよ」


 泣きながら背を向けて、走っていく。

 後ろにはまだ、彼の気配が残っていた。


「分かったよ。そんなに俺のことが嫌いだったんだな」


 彼は寂しそうに笑った。

 それを木の影から覗き見て、私は呟く。


「違う。私はあなたが好きだったんだよ……」

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