最後の望み

 好きな漫画がある。

 小説がある。

 アニメがある。

 好きな人がいる。


 それだけで生きる理由になる。


 最終回を見たいな。

 あの人のそばにいたい。

 ずっと見守り続けていたい。

 本当に、想っているから。

 恋をしているから。


 けれども、だからといって、死から遠ざかる理由にはならない。

 どうしようもなく死を願っている。

 この世から消えてしまいたくて、たまらない。

 全てから解放されたくて、仕方がなかった。


 いっそ、この傷が癒やされないのなら。

 報われないのなら。

 せめて。


 私はなにも求めない。

 今さらほしいものなんてないし、いっそ全てを捨ててしまって構わなかった。


 だからこそ思う。

 どうか、全てを奪ってほしい。

 私が生を望むもの、全てを。


 そうでなければ、救われない。

 こんな中途半端な状況に置かれて、生き地獄の中を、それでも生きろだなんて。


 だからちょうだい。

 死んでもいい理由を。

 それが私にとっての最後であり、唯一の望みだった。

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