ゴミ

 食べ終わった後のヨーグルトやゼリーの容器を水で洗って、乾かした。すると、小さな入れ物が完成する。だけど使う間もなく母に捨てられた。

 ゴミからアクセサリーを作り出した人の姿を見た。だけど私の目にはどうしても、ゴミにしか見えない。たとえ美しく加工したところで素材が素材なら、余計にみすぼらしく見えるだけではないか。

 そう思うと、かつて私が作り出したものも、ゴミでしかなかったのだなと感じる。ゴミはゴミ。ならばいさぎよくゴミ箱に捨てるべきだった。

 大人になったからだろうか。やけに私自身の心が冷めたような気がするのは。

 だけど真に素晴らしい者は廃材からかき集めて作ったものに価値を見いだせる人なんじゃないかと、ときどき思う。そうなると私は結局、未熟であり、ただの見る目がないものに過ぎないのだろう。

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