かくも楽しき、我が趣味達よ!
月光狼 @ MoonLightWolf
Ep01 愛車遍歴と、ガレージハウスの話。~その1~
ずっと昔……あれは、まだ運転免許も持っていなかった頃だったと思う。
免許も無い訳だから、当然その時は自分の車なんて持っていなかった。
でも、その時点で既に『いつか家を建てるなら、ガレージの広い家』を建てたいという野望が俺にはあったのだ……。
――というか、要するに『自分の車は、部屋の中に置きたい』って思っただけだったのだけれど。
理由? それは、普通に生活の中で愛車と一緒に暮らしたかったから。
車のショールームみたいな家に住みたかった……という訳だ。
俺は子供の頃から、とにかく車が好きだった。
親父も車好きだったから、よくミニカーを買ってもらっていた。
英才教育って、こういう事を言うんだろうね。
そして時は流れ、免許を取ってしばらくは実家に在ったホンダのシビックと、親父のアウディに乗っていたのだが……何かが物足りなかった。
その何かはスグに思い当たった。
実家の車は2台ともオートマ車だったのだ。
実のところ、俺はオートマって奴が苦手だった。ブレーキを踏んでいないと勝手に進んで行くなんて……違和感満点だったのだ。
ドライバーである自分が何もしていないのに動くなんて……、皆は怖いと思わないのかな?
最近、アクセルとブレーキの踏み間違いが原因とされる事故が急増している様だ。アレって、マニュアル車だったら全く起きないって事は無いにしても、だいぶ減るんじゃないかって思うんだけど、どうだろう?
それに最新の車って言えば、やれ電気だの何ちゃらサポートだの自動運転だの……なんか家電化していっている様に感じられてしょうがない。
車は自分で操るのが面白いと思うんだけどなー……。
要は『乗る物であって、乗せられる物じゃない』って事が言いたいだけだ。
随分脱線しちゃったけど、俺はその後間もなく自分の金で念願のマニュアル車を買った。今となっては懐かしい『プジョー205GTI』だ。色はもちろん黒。
結局、この車は潰れるまで乗り倒した。
本当に運転が楽しくて、イイ車だった!
その時は、後に2台目の205に乗る事になるとは思わなかったけどね……。
まぁ、その話はまた別の機会にでも……。
そして次に買った車――コイツも勿論マニュアル車だ――が、ちょうど日本へのデリバリーが始まる直前だった『フィアット・バルケッタ』だった。
ちなみに、バルケッタってのは小舟を意味するイタリア語である。
「次はオープンカーに乗りたい!」と思っていたのが一番の購入動機だった。
しかし、問題が一つあった……。ソレは、色だ。
当時のカタログにあった色は、赤・オレンジ・明るいブルーの3色だったのだが、どれもこの車のデザインにシックリこなかったのだ。
さて、別の車を探すか、色を我慢して乗るか、いっその事「全塗装」して好きな色に塗り替えるか……迷いに迷っていた所、ショップの店長が吉報をもたらしてくれた。
「まだ秘密なんですけど……もうすぐシルバーのバルケッタがデリバリー開始になりますよ」
「え? ホントに? じゃあ、買います!」
即決だった。
結局、日本に入ったシルバーのバルケッタの最初の10台の内の1台を押さえ、手に入れる事が出来た。
しかし、忘れもしない納車のわずか三日後に東京への転勤が決まったのである。
所謂、社宅生活を始める事になったわけだが『3LDKプラスサービスルーム付き』という約100平米の物件が割り当てられた……と、いうかソノ部屋しか空いていなかった訳である。
そんな部屋で独り暮らし……広過ぎるんだヨ……掃除も大変だし!
でも流石、社宅である。家賃は安いし、敷地内は、車が置き放題だった。
そんなこんなで、東京でのオープンカーライフが始まった。
~その2~ へ、続く……
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