おでん

家に急ぐ。

今日も、残業だ。

年末だから仕方ないけれど、四日も続くと、さすがに疲れる。

家のドアを開ける。

「おかえり」

彼は、いつもの口調でそう言った。

「今日はおでんにしたよ。どう、仕事の具合は」

「全然。明日も遅くなりそう」

荷物を下ろしながらそう言うと、彼は拾い上げて言った。

「そっか。じゃあ、とりあえずシャワー浴びてきなよ。それから、夕食にしよう」

そう言う彼の後ろ姿を、私は見つめていた。

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