十二月

学校にある中庭。

そこにあるベンチに座っていた。

息を吐く。

もうすっかり、白くなってしまった。

吹き抜ける風の冷たさが、十二月という季節を表している。

「はい、君に」

あなたは、買ってきたばかりの缶コーヒーを見せた。

「今日も冷えるね。風邪なんてひかないでよ」

うなずく。

あなたが、隣に座った。

ちょっと、体をくっつけてみる。

あなたも、体をくっつけてくれた。

手に持っていた缶コーヒーが、少し不機嫌そうにしている。

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