3・神聖皇国編
第134話 放牧の時
ラデス帝国での一件に片が付き、取り敢えず一段落。
帰還命令を出した瞬足くんの帰りを待つだけになっていた。
俺はダンジョン最下層にある自室のベッドの上で横になり、暫しの休憩中。
そういえば、ラウラの頭から★が出たんだっけ。
配下にしたことによる恩恵が早速、現れたってわけか。
それにしても、★を目の当たりにするのも久し振りだなあ。
ずっとラデスのことに掛かりきりだったし。
ともかく、いつものように変化をチェックして行こうか。
まずはステータス。
[ステータス]
名前:魔王
レベル:11 ★:1545
HP:5318/5318
MP:4167/4167
攻撃力:803 防御力:771
素早さ:582 魔力:759
運:742
特殊スキル:
おっと、レベルが上がってるじゃないか。
どうやらラウラから結構な量の★が出たようだ。
ってことは、レシピの方も……。
そう思ってコンソールを弄ってみる。
[合成レシピ(料理]
・キビキビ草×1 = 砂糖×10 NEW!
・霊芝×1 +
やっぱり新しいレシピ来てた!
ってか、これだけかよっ!?
しかも料理レシピじゃん。
なんか城の防衛に役立つものを期待してたから、ちょっと拍子抜けだ。
でも、MP回復とかの効果が付いてたら、ありがたい。
その辺を見て行こう。
砂糖はまあ、まんま砂糖だとして……気になるのは霊芝茶ラテの方。
[霊芝茶ラテ]
霊芝を煎じた茶に
芳ばしい香りと苦みが特徴の霊芝茶に
ちなみにカフェインの含有量が物凄く、一杯飲むだけで目も頭もギンギン。三日は徹夜出来ます。しかも中毒性が高いので飲み過ぎ注意!
嫌な飲み物だな……。
寝ずに動きたい時はいいのかもしれないけど、中毒性が高いってことはまた飲みたくなるってことでしょ? ずっと寝られないじゃん!
それに特殊効果とか何も付いて無さそうだし……。
これは使うこと、なかなか無いだろうなあ……。
と、そういえば、霊芝で思い出した。
霊芝といえば
あれから暫く経ったけど、どんな具合かな?
ちょっと様子を見に行ってみようか。
◇
というわけで、魔法の扉Ⅱを使い、トントロの居る第二階層にやって来た。
「さてさて、ちょっとくらいは育ったかなー……って、えええぇっ!?」
俺は目の前に広がっている光景に腰を抜かしそうになった。
第二下層の大広間。
その床一面を霊芝が覆い尽くしていたのだ。
床だけじゃない。
壁や天井も全て霊芝だらけ。
しかも、光を放つ胞子が空中に舞っていて、まるで雪景色のようだった。
または腐海の森?
「成長早すぎじゃね……?」
空気の流れが少ないジメッとした空間だから育ち易いのか?
俺が驚いていると、霊芝の絨毯の真ん中でウトウトしていたトントロが、ようやくこちらに気付いたようだった。
巨体は石像のように動かず、目だけがゆっくりと開く。
「おぉ……これはこれは魔王様。何か御用でごじゃりますか?」
「いや……用ってほどじゃないんだけど、霊芝がどのくらい育ったかなあー……と思って。凄いねこれ」
「ここはとても過ごし易いのですじゃ。なので霊芝を育む魔力も溜まり易いのではないかと思いますのじゃ」
「なるほど、そういうこと」
この状態ならもう、
「そろそろ、この場所に
「ええ、もちろん構わないのですじゃ」
トントロが即答したので、俺はアイテムボックス内に収納してある
元気良く飛び出した
「なかなかいい食べっぷりだな。これならミルクも沢山取れそう」
それに、
あれからは小麦が収穫出来る。
安定して小麦が手に入るようになれば、色々な料理が楽しめそうだ。
というか、霊芝を食べた側から
もしかして、もう収穫出来るのか?
あまりに早い成長だが、黄金色に垂れた穂は成熟仕切っているように見える。
なら、試してみるか。
俺は
するとアイテムボックス内に、小麦×10が収納された。
おおっ、やっぱりもう出来てる。
初小麦ゲット。
ゲットついでに以前手に入れたレシピから一つ、作ってみよう。
作るのはこれだ。
・小麦×1 + 砂糖×1 + アズマ豆×1 + 温泉水×1 = 温泉饅頭×10
アズマ豆は以前、シャルと食材採取に行った時、アイテムボックスへ雑多に放り込んだ中にあった。
砂糖の原料であるキビキビ草も同様だ。
温泉水は風呂を作ったときに幾つか採取しているから、材料は全部揃ってる。
というわけで早速合成。
瞬時に温泉饅頭が出来上がった。
試しに一つ手の中に取り出してみる。
茶色い皮の茶饅頭。
しかも蒸し立てのように温かい。
そのまま一囓り。
「!?」
自分でも瞠目するのが分かった。
「んまっ!」
それは饅頭のイメージが変わるくらいの旨さだった。
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