友達と幼馴染
第3話 デート(笑)のお誘いは突然に
『悠ぅー、今日新刊発売日じゃん本屋に行くのに付き合ってー』
風が香る5月下旬。
某メッセージアプリから振動とともに来た言葉。教室で昼食を一緒に取っていたクラスメイトから
「彼女か?」の一言を頂きました。確かに彼女からこんなメッセージが届いても不思議じゃない。しかしメッセージをよこした彼は友達(同性)だ。友達から、放課後本屋デート(笑)のお誘いである。
まあ彼女とかいらないんですけどね!彼女いない歴イコール年俺。まあ百合物見てるだけで満足だしむしろ恋愛に関しては傍観者でおっけーです...。
「友達かよ...」
「友達だよォ...」
「つまんね...」
「お前も彼女いねーじゃん」
適当にレスポンス入れつつ、俺はメッセージに返信をする。
『おkい、いつもの本屋で現地集合』
『り』
返信はええよこいつ。
よっぽど楽しみなのか。
「そういえばさ、なんで本屋行くんだ?お前読書するようなキャラだったっけ。あっ漫画か」
「まあ、そんなとこ。」
俺は漫画のほうで百合を消化していることが多いが、友達の目的のジャンルはは漫画だけではなく小説も良いらしい。恋愛もの。
「漫画か...俺久しく読んでねーわ...お勧めとかあったりすんの?」
ちなみに俺はジャンプとかそこら辺は普通に読むので話は出来たりする。百合が好きなことは前述したとおり秘密である。
「これとかどうだ。お前の趣味に合いそうじゃん」
とりあえず今流行りのバトル物を2、3個さっと勧めておく。ここで話を深入りさせてしまうとうっかり秘密をこぼしそうなのでこれ以上はやめておこう。危険危険。
「ありがとな。読んでみるわ、他にも良いやつあったら教えてくれ。」
「おう」
「本屋デート、友達と熱くラブラブしてこいよー」
「お...」
腕を小突かれて茶化された。普通の人なら「ちげーよ友達だし、ばーか」
くらいのことを言って返せることだろうがラブラブという単語に俺はほんの少しだけ固まる。俺というより友達のことを思い出す。
そいつは楽観的で長身茶髪の目がキラキラした甘顔、顔面だけなら偏差値が高く性格もよく女にもてるはずなのに、彼女は未だいたことがない。で、なんで俺の友達は残念イケメンであるのか。
それは、彼、大元爽斗は
オープン腐男子かつ隠れゲイだからである。
俺の百合の趣味を知る唯一の友人でもある。
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