第15話 第六感があって良かった話
ある日の明け方、とりとめのない夢を見て目が覚めた。その後、うとうとし始めた時、いきなり映像が頭の中で炸裂した。それはそれは強烈なインパクトだった。"映像が見えた"と言うより、"その場に居た"。
私は自分のベッドから、瞬時に別の場所に移動していた。別の場所の別の人物になっていた。
3時の方向(右手真横)の下方から上ったばかりの太陽の光が差し、キャノピーに微細な傷でもあるのか、キラキラと乱反射している。眼下には砂漠が広がり、地平線の辺りに朝靄が薄くかかって砂漠が永遠に続くように見えた。頭上には、快晴の空。
ジェットエンジンの低い唸りのような振動を感じる。計器類のたてる微かな電子音。マスクをしたうえでの呼吸は重いが、気分は爽快だ。
その、自分が呼吸する感覚、操縦桿を握った手の感触、胸郭の内で感じる心臓の鼓動。その身体感覚全部が、普段感じている自分の感覚ではない。コックピットの内側など私は見た事がないが、この"自分"は この機が単座の超音速練習機であると知っている。
計器類ひとつひとつのデザイン、操縦桿を握る手にはめた手袋の縫い目までよく判る。
機体が音速を超えた時、"自分"は"ゾーン"に入った…。
知人に"某"飛行隊隊長だったひとがいますが、彼と私は縁が深かったらしく(過去世で兄弟、または婚約者同士だったり)、感覚・記憶を共有してしまったらしいですねー。やー、申し訳ない限りですが(意図した訳ではないが、『勝手にリーディングした』に近い。ひとのプライバシーを侵害してしまったということ)、物凄く得した気分です。役得と言う事ですな。
資格も資質もなく、訓練も受けず、限られた人のみが見ることができる世界を垣間見たのですから♬
彼によると、音速を超える時『空間が歪むのを見た』と言うパイロットは多く居たそうですが、彼自身は見ていないそうです。
でも、意識レベルは変化していますねー
彼に自覚はないようですが、
私が、かように知覚したわけですから!
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