第5話 大量ポイント振り(厨ニ)

 

「投資するかは、一応全部見てから考えたほうがいいな」


 次は【魔力】だ。


  【魔力】

     【悪魔言語詠唱】0 (MAX10)

     【詠唱短縮】0 (MAX10)

     【上位元素適性】

         【光】0 (MAX10)

         【闇】0 (MAX10)

         【混沌】0 (MAX10)

         【即死】0 (MAX10)

     【憤怒の石板】  3ポイントアンロック



「……すごい」


【魔力】においては、完全に上級編のスキルツリーだった。


【悪魔言語詠唱】ってもしかして、煉獄の巫女アシュタルテの「うにょにょ……」というあの言語か。

 喉から手が出るほどにほしい。


 そして、魔法の研究がもっとも盛んと言われているエルポーリア魔法帝国においても未解明の【詠唱短縮】。

 なんとここで手に入るとか。


 さらにこの世界では希少とされている、【光】や【闇】の元素適性。

 しかも【混沌】とか【即死】とか、なんかヤバそうな未発見適性もある。


 だが俺が最も惹かれるのは、最後の【憤怒の石板】だ。


 これはそそられるが、3スキルポイントも使う。


 どうしよう。使っちゃおうかな。

 あー、でも3ポイントも……。


 いや、石板は俺がもっとも楽しみにしているスキルだ。

 いいさ、まだ25ポイントもあるから開けちゃえ!


 《【憤怒の石板】をアンロックしました。これに伴い、石板の従者が怒りの反撃カウンターを行うようになります》


「……は?」


 怒りの反撃カウンター

 ナニソレすごくない?



【憤怒の石板】  

   【悪魔の追撃】0 (MAX1)

   【悪魔の追撃2】0 (MAX1)

   【回復追撃】0 (MAX1)



「……すげぇ」


 使役している悪魔が追撃してくれるみたいだ。

 これは取るしかないだろう。

 現時点で俺の最強の攻撃は従者アタックだからな。


 それにしても煉獄の巫女アシュタルテの追撃とか、考えるだけで素敵すぎる。


 次は【筋力】。



【筋力】

  【凶人化】

     【凶酔の剣】0 (MAX3) 

  【超越攻撃】 

     【斬鉄】0 (MAX3)

     【粉砕】0 (MAX3)



「凶……なんだこれ」


 狂じゃない。凶だ。

 凶酔ってどうなっちゃうんだ、これ。


 これ、たぶん技術的に改善するんじゃなくて、なにかイケないことになりそうな……。

 なお、【凶人化】で剣が選ばれているのは、きっと最初のスキルツリーで【剣一般】を上限まで伸ばしたからだろうな。

 これはやばそうだからちょっとスルーしておこう。


「……ちょ、【超越攻撃】……すげー」


 まさか俺の攻撃に【斬鉄】とか【粉砕】の効果が混じるということか。

 こ、怖すぎるが、惹かれる。


「フ、躱したか」とか言いながら、木をぶった切ったり、敵の隣の大地をごっそり削ってビビらせる、アレだ。

 アレができるようになっちゃうということだ。


「………」


 やばい、ひとりでニヤけてた。


 次は【敏捷性】と【精神力】。



 【敏捷性】

     【二段ジャンプ】0 (MAX3)

     【残像】0 (MAX3)


 【精神力】

     【魅力】6 (MAX10)

     【王者のカリスマ】0 (MAX10)



【敏捷性】の【二段ジャンプ】や【残像】は有効この上ないスキルだ。

 回避に関わるスキルなので、優先度は高いだろう。


【精神力】には気になっていた6のままの【魅力】が追加されていた。

 よかった。


 これでいつでも上げられる。


【王者のカリスマ】はかっこよさそうだけど、命のことだけ考えると後でも良さそうなスキルだな。


 続けて【身体感覚】と【知性】。



  【身体感覚】

    【感覚】

      【視覚】9 (MAX10)

      【聴覚】9 (MAX10)

      【嗅覚】9 (MAX10)

      【味覚】2 (MAX10)

      【触覚】3 (MAX10)

      【第六感】0 (MAX10)

      【第七感】0 (MAX10)

    【知性】

      【総合知性】71 (MAX100)

    【言語知性】

      【言語理解】4 (MAX10)

      【言語出力】4 (MAX10)

    【記憶力】5 (MAX10)

    【異種族言語理解】

      【天使言語】0 (MAX10)

      【悪魔言語】0 (MAX10)



 上げ損ねた項目がある中で、【第六感】と【第七感】が追加されている。

 第六感は直感的なものだろうか。


 そして第七感。

 もしや、キミの中の小宇宙とやらか。

 欲しい。欲しすぎる。


 なんて冗談はさておき、【第七感】はおそらく魔法感覚的な直感と推測する。


 危険を事前に察知する能力と思われ、優先度は高いだろう。


【知性】には以前にあった【総合知性】や【記憶力】が追加されている。

 その下には【総合知性】を上げたからだろうか、【異種族言語理解】として、【天使言語】と【悪魔言語】が現れた。


【天使言語】は「光の神ラーズ」や「大地母神エリエル」の教会が目の色を変えて取り組んでいる内容だ。


漆黒の異端教会ブラック・クルセイダーズ』でも、【悪魔言語】の解明に取り組んでいるが、全くもって進んでいない。


「【悪魔言語】欲しいなぁ……」


 これを上げれば煉獄の巫女アシュタルテとも、もっと深い会話ができるだろう。


 ほしいけど、10ポイントはでかいなぁ。

 うーん、ここは我慢かな……。


 そして最後は【特殊】。


【特殊】 1ポイントアンロック


 もちろん1スキルポイントを使ってアンロックする。

 残りは21ポイントだ。


 《【特殊】をアンロックしました》



 【特殊】 

    【変幻】

       【カラス化】0 (MAX3)

       【異人化】0 (MAX3)

       【不死者化】0 (MAX3)

    【過去への訪問】 一度のみ

    【配下作成】

       【魔の従者】0 (MAX10)

       【不死の従者】0 (MAX10)


「……これ、ヤバイやつだ」


 あまりの感動に、開いた口が塞がらなかった。

 自身の姿を変えるスキルに、夢の【配下作成】がある。


 配下を作って、自分の軍団を作っちゃうとか、男の夢すぎる。

 でも悪魔を従えて、悪魔の従者とかもう魔王なんだけど、方向性いいのかな。


「うーん困った!」


 上げたいスキルばかりだ。どうすっかなぁー。

 頭から煙が出るほどに思案して、俺は残りポイントをこう振ってみた。



  【生命力】

    【身体強化(壱)】 1ポイントアンロック

        【筋力+10%】0 (MAX1)

        【生命力+10%】1 (MAX1)

        【敏捷+10%】1 (MAX1)

        【魔力+10%】0 (MAX1)

        【防御力+10%】0 (MAX1)

        【盾防御+10%】0 (MAX1)

    【身体強化(弐)】 2ポイントアンロック

    【身体強化(参)】 3ポイントアンロック


  【魔力】

    【悪魔言語詠唱】0 (MAX10)

    【詠唱短縮】0 (MAX10)

    【上位元素適性】

       【光】0 (MAX10)

       【闇】0 (MAX10)

       【混沌】2 (MAX10)

       【即死】0 (MAX10)

    【憤怒の石板】  3ポイントアンロック

       【悪魔の追撃】1 (MAX1)

       【悪魔の追撃2】1 (MAX1)

       【回復追撃】1 (MAX1)


  【筋力】

    【凶人化】

       【凶酔の剣】0 (MAX3) 

   【超越攻撃】  

       【斬鉄】0 (MAX3)

       【粉砕】3 (MAX3)


  【敏捷性】

       【二段ジャンプ】0 (MAX3)

       【残像】3 (MAX3)


  【精神力】

       【魅力】6 (MAX10)

       【王者のカリスマ】0 (MAX10)


  【身体感覚】

    【感覚】

       【視覚】9 (MAX10)

       【聴覚】9 (MAX10)

       【嗅覚】9 (MAX10)

       【味覚】2 (MAX10)

       【触覚】3 (MAX10)

       【第六感】2 (MAX10)

       【第七感】0 (MAX10)


  【知性】

    【総合知性】71 (MAX100)

    【言語知性】

       【言語理解】4 (MAX10)

       【言語出力】4 (MAX10)

    【記憶力】5 (MAX10)

    【異種族言語理解】

       【天使言語】0 (MAX10)

       【悪魔言語】3 (MAX10)


  【特殊】 1ポイントアンロック

    【変幻】

       【カラス化】0 (MAX3)

       【異人化】3 (MAX3)

       【不死者化】0 (MAX3)

    【過去への訪問】 一度のみ

    【配下作成】

       【魔の従者】0 (MAX10)

       【不死の従者】0 (MAX10)



 ポイントは余すことなく使用した。

 一つずつ見てみよう。


【身体強化(壱)】では生命力と敏捷10%加算をとった。

 なお、【身体強化(弐)】は壱をコンプリートしないと開くことができない。


 次に属性攻撃たる【上位元素適性】で【混沌】を2に伸ばしてみた。

 どんな効果があるか、楽しみだ。


 ちなみに【即死】にしなかったのは、峰打ちで死なれたりするのが怖すぎるからだ。


【悪魔言語詠唱】は知性の【悪魔言語理解】を上げてからじゃないと駄目みたいだった。


 次にどうしても手に入れたかった【悪魔の追撃】【悪魔の追撃2】【回復追撃】に3ポイント振ってすべて獲得する。これだけは譲れない。


【凶酔の剣】は謎すぎるので、ちょっと様子を見よう。


【超越攻撃】の【粉砕】と【敏捷性】の【残像】は俺の中の厨二が唸り、気づいたらMAXまでとってあった。


【精神力】系は一旦パスし、【感覚】の【第六感】を2とってみた。

 知性では、【悪魔言語】を3伸ばした。


 これで少し煉獄の巫女アシュタルテの言葉に理解が進むかも。


 最後に【特殊】でカラスと迷ったが、【異人化】をMAXまで取得した。

 これは危機的な場面からの退避に役立つと思われたからだ。


 その下にはあえてスルーしていた【過去への訪問】というものがあるが、詳細不明な上に一度きりしか使えないとのことで、今回は見送った。


「ふふふ……手に入れたぞ……!」


 よーし。これで厨二病チカラモチャー全開だ!


「……あれ?」


 相変わらず伸びたスキルのせいで視界が鮮明で広いのだが、なんだか視点が低くなったような気がする。


 気のせいだと思いたいが、ずいぶんと違うような……。


「……俺、もしかして縮んでる?」


  気のせいじゃない。

 10cm以上背が低くなっている気がする。


 なんでだろ。

 もしかして背骨が疲労骨折を起こして潰れたか?

 寝すぎたせいか?


 でもそれ以外は体に異常を感じない。


「まぁいいや、とりあえず地上に戻ろう」


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