第12話. 冒険者大会
冒険者大会それは、この街の風物のようだ。そして年に2回あり、6ヶ月ごとにあるとか。
冒険者は全員強制参加で、怪我や、病気などやむ得ない休みは認めると言う、ほぼ強制参加の大会らしい。
そして、大会の知らせは、当日に知らされ、大会の準備など一切くれないのだとか。
なので今日急だが、大会に参加しないといけないらしい。なんと参加しなかったら、冒険者カードを破棄されるらしい。なので参加しないといけない。
「めんどいな」
『……ん、お金もらえない』
その通りめんどくさい。そして強制参加なため、依頼にいけない。
よって、今日デザート代がないと言うこと。
「みなさん!賞金は1,000,000レギットです!頑張ってください!」
「「「「おおおおおおおお!!!!!」」」」
なんと、賞金が1,000,000レギットももらえるらしい。それは美味しい。でも優勝したらだ。
それに今日の食事代は無料になるらしい。といっても、定食だけだが。その他を食べたいなら金払えだと。でも定食ももらえるのは美味しい。
「それでは!みなさん魔法科学校に集合してください!そこで登録と、魔力変換器をもらって、大会に出場してください!」
「「「「おおおお!!!!!」」」」
いや、なんて暑苦しい。男たちの雄叫びが、ギルドを震わせた。
「行くか、ローチェ」
『…ん、しょうがないお金稼ぐ』
実は2位、3位、4位、5位まで賞金はもらえるだとか。1,000,000レギットよりは少ないけど。
カード破棄は痛いので、仕方なく会場に向かった。
♢
「それでは、この魔力変換器を装着して大会に出場してくださいね!」
指輪型の魔力変換器をもらった。魔力変換器とは、受けたダメージを魔力で肩代わりしてくれる品物だそうだ。なのでこの大会は魔法使い系の人は不利かもしれない。
そんな指輪をもらい、手にはめた。
「もう試合始まるよな」
『…ん、さっきAブロックが試合終わった』
全員参加なだけあって、量がものすごく多い。AブロックからDブロックまであって、各ブロックから2人本戦に出場できる。このブロックは全員FランクからDランクの予選試合みたいなものだ。
そして試合形式は「乱戦」
その名の通り、ブロックの人全員が1つの場所で戦うと言う運が必要な試合形式だった。
残りのAランク〜Cランクまでは予選は免除されるらしい。
そして、会場は魔法科学校という魔法使いを輩出する名門学校らしい。…知らないけど。
その学校は、敷地が広く、スタジアムまで持っていて、そのスタジアムで試合をするそうだ。
「会場向かうか」
『…ん』
仕方がないので、スタジアムに向かった。
♢
「それではBブロックスターーーート!!!!!」
実況により、Bブロックがスタートした。人数は20人ぐらいだ。剣を持ってるもの、杖を持ってるもの、沢山の人が入り混じっている。
観客席はスタジアムのグランドを囲うように円状にできていて、沢山の人々が見ている。
Bブロックでは、共闘をしている者も見られるので、基本的になんでもありなんだろう。
冒険者以外の入場料は2500レギットらしい。それなりにするが、それに見合った戦闘が見れて、ほとんどの席が埋まっている。
『…ね、あの子可愛そう』
ローチェがそういってきた。
「ああ、そうだな」
そこに広がっていた光景は、1人の魔法使い系の少女を3人の男たちで袋たたきにしている。
剣で斬ったり、殴ったり。
魔力変換器のおかげで、肉体的には、ダメージが入っていないが、ノックバックは生じるため、剣を振り下ろされる恐怖、拳が近く恐怖が植え付けられている。
手を上げて降参すれば、やめてもらえるだろう。しかし、3人で攻撃をしているので、手を上げる余裕がないらしい。
なぜ、大会側は止めないのだろうか。
可哀想に。
『……あの子、限界、くる』
「……えっ」
隣のローチェがそう入った瞬間に、男が振り下ろした剣で、右腕がザックリと斬られ、腕が場内に転がる。
魔力が無くなったため、ダメージを肩代わりできなくなったのだ。
少女は叫び、斬られた裂け目からは、地面に鮮血を垂らしながら、必死に回復魔法の詠唱をしている。…が、魔力変換器で、魔力は空っぽ。
結果何も発動しない。
周りの人たちも、腕が斬られのを見たのかざわつき始める。みんなさっきまで少女が追い込まれるのを面白がって見ていたのに。
「行こう!」
『……ん、あの量1分ない』
Cブロック控え室で見ていたジンはそこから飛び出した。
「君は退け!!」
幸い、すぐ近くだったので、すぐに近寄れたが、係員の人が来て近寄ることを禁じられた。
「腕は諦めろ!止血だ止血!止血しろ!!!!!」
係員が止血を叫んでいる。回復魔法の中に蘇生魔法があるとかないとか。部位欠損回復魔法など、魔力を相当使うらしく、ここに集まった係員たちは、行使できないらしい。
それでも、傷口は塞がったらしく、抱かれて医務室に連れてかれた。
「何も、できなかった」
『……ん、違う、まだこれから』
そんなことを言って、足下にあった右腕を掴んだ。
すると、ローチェの前に、漆黒の空間が出てきた。
そしてローチェは躊躇いもなく、その中に放り込んだ。
『……これで完璧……ブイ』
「何が完璧だよ、腕を黒い中に入れただけじゃないか」
ローチェは誇った顔で、ピースをしてきた。
可愛いと思ったが、今はそれどころじゃない。
腕だ。
『…あの中、亜空間、時間進まない、だから後で治せる』
「本当か?」
『…本当』
どうやら、ローチェが持っているスキルで、仕舞っておいたらしい。
あの漆黒は亜空間との繋がりらしい。
それにローチェが言うに、腕も直すことが可能らしい。
一安心だ。
あれこれしている間に、Bブロックは試合が終わったらしく、Cブロックの試合が始まろうとしていた。
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