アカツキ・ループ
夢月桜
プロローグ:未来のため
絶望ループ
目の前に広がっている光景を、俺は何度見たことだろう。
ただ赤い、仲間たちの血が俺の目の前に広がっている。
「さあ、わかったであろう?お前は無力だ。だから、さっさと死ね。呪われしアカツキの民よ」
無力?そんなことはわかってる。
仲間を守れなかったんだ。
奴の言う通り、俺は死を覚悟した。
「それはあんたには決められないよ」
突如として目の前に現れた少年。
そいつをみて奴は顔を歪ませる。
「言ったでしょ?ぼくはあんたを倒すためならなんだってするよ。今回はダメだったけど次はあんたを倒す。じゃあね」
少年は俺の腕をとる。
「なんで俺まで?」
「あいつを倒すにはキミの力が必要なんだ。アカツキの民の力がね」
少年が呪文を唱えると俺と少年の体が浮き始める。
この物凄い魔力はなんだ?
この少年は一体何者なんだ?
その光景を見て奴は焦りを見せる。
「それは…させぬ!」
奴は俺たちのもとへ向かおうとする。
だが一瞬、奴の動きが鈍る。
その原因に俺は驚きを隠せなかった。
「あなたが…ユウを助けてくれるの?」
死んだと思っていた俺の仲間、サクラが魔力を振り絞って奴の足止めをしていたのだ。
「サクラ!」
俺はたまらずサクラのもとへ向かおうとするが少年が俺のことを止める。
「なんで止める!」
「…彼女はキミを助けるために最後の魔力を振り絞ってる。彼女の想い、無駄にするなよ」
俺はその言葉になにも返せなかった。
「どこの誰かは知らないけど…ユウのことお願いね」
「任せといて」
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