幸せの景色
レオンハルト作 ねこ編著
第1話 プロローグ①
2012年2月
僕は昨年末から引き継いだ仕事が捗らず、少し焦っていた。
高木レン 26歳
中小企業でも小の方で働いている。社長をはじめ、社内の雰囲気はアットホームなところもあり、仕事にもやりがいを感じている。
この日も僕は資料の作成に追われていた。
完成に向けての概要もイメージできず、あれこれ試行錯誤しながらという非効率な作業。そんなときに限って無意味な雑念が頭をよぎり、余計仕事を時間のかかるものにしていた。
くそっ!今日も遅いのかよ!
〝ブルルルル〟スマホの振動を胸ポケットに感じながら画面に目をやる。幼馴染の健二だ。
「もしもし、健二?どうしたの?」
「あ、レン?、今忙しい?」
その言葉にさらにイライラが募る。
「あぁ、今忙しいんだけど何?何かあった?」
「忙しいならいいんだ。相談したい事があるんだけど、今度でいいや!悪かったな。」
🎶♪♩…。
LINE通話の切れる音。
この切ない音色を聞くたびに胸の情動が蒸し返されて息がつまる。
ーー あぁ!! なんで僕が、あの時 …!! あの時…!!
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