一番素敵な願い事
勝利だギューちゃん
第1話
もうすぐ七夕。
短冊に願いことを書く。
子供たちはもちろん、大人たちも願い事を書く。
しかし、その願いが叶う事は、殆どない。
叶わないと知っているので、敢えて書くのだ。
そう、殆どは・・・
「たく、俺たちはサンタじゃないんだぞ」
「文句言わないの。こうして毎日会えるんだから」
「しかし、一年に一度しか遊べないなんて、酷だよな」
「私は、あなたと一緒だと、幸せよ」
織姫と彦星が、一年に一度、
7月7日の日にしか会えないというのは嘘。
毎日会っている。
休めるのが、一年に一度の、7月7日の日なのだ。
その日だけは、自由に時を過ごせる。
他の日は・・・
「えーと、何何?『プリキュアになりたい』。?
なあ、織姫さん、最近多いが、これなんだ?」
「15年ほど前から、≪主に≫女の子たちの間で、
人気のヒロインみたい」
「≪主に≫とは?」
「大きいお友達も、多いみたいよ」
「大きいお友達?」
「大人の男性」
織姫と彦星は、7月7日以外は、短冊に書かれた願い事を、
出来る限り叶えようとしている。
しかし、期間は1年なので、全部は無理。
叶えられない願いが多いのはそのためだ。
「最近は、女の子のほうが積極的みたいだよ」
「楽でいいな。地上の男ども」
「何か言った?」
「いえ、何にも」
時にはけんかもするようだ。
「しかし、こんなに毎日働いてたら死ぬぞ。
労働基準法違反で訴えてやる」
「彦星さん、私たちはもう、死んだも同じだから」
「ところで、7月7日って、ポニーテールの日になったんだってな」
「20年ほど前にね。今頃知ったの?」
「・・・わるい・・・」
雲の上も、下界での情報が伝わる。
今は、ネット社会で、雲の上にもあるが・・・
「チェックしきれないほど、忙しいな」
「でも、こうして一緒にいられるんだから、いいじゃない」
「まあな」
結構、うまくやっているようだ。
「なあ、この願いなら、叶えてあげらるな」
「どれどれ、本当だ」
「早速、叶えますか」
「その日にね」
【織姫と彦星は、今年は会えますように】
一番素敵な願い事 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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