第5話 これが実戦
まずはゴブリンの装備を確認する。
右手にナイフを持っていて防具に関しては紙装甲どころか上半身は裸そのものだ。流石に下は履いています。
かなり警戒してるのが分かる。同じようにこっちも警戒してるが、このままでは拉致があかない。
となれば、攻めるか。
真っ直ぐ走り出し、勢いを緩めず真っ直ぐ斬り下ろす。
あまりにも単調で分かりやすい攻撃だったので、簡単に後ろに飛んで避けられた。まあ、予想通りなんだけど。
これでやられる相手だったらチュートリアルの相手としては不十分すぎるからな。ていうか的と変わりない。
てな訳で振り下ろした状態から一歩踏み込み、斬り上げる。
今度はナイフで軌道を逸らされた。案外器用なんだな。いや、俺の攻撃が弱いだけか。
まあそんな事言ってる場合じゃないよな。変に逸らされたから態勢思いっきり崩れちゃったし。
それを見逃してくれるわけもなく、ナイフを顔面目掛けて突き出してきた。
頭を右に曲げて回避するも、少し間に合わず左頬を切られてしまった。
「いってぇ!やっぱ、ケガすると痛いんだな」
思わぬタイミングでいい情報が入った。
それはともかくとして、ゴブリンの腕は伸びきっている。それはつまり、すぐに戻すことは出来ないと言うことだ。
左足を前に踏み込んでいたのでその左足を軸に、時計回りに約90度ほど回転する。
体が左に流れていたのでこの方向に回りました。
回ったお陰で崩れていた態勢を整えられたので、伸びきった腕、正確には二の腕辺りを目掛けて剣を振り下ろした。
腕を戻そうとしていたが、もう遅い。戻した分を差し引いて、肘から下は斬り落とした。
痛みに耐え切れず蹲ったゴブリンのクビ目掛けて、剣を振り下ろす。
首を斬り落としたので即死したようだ。
それにしてもグロい。腕を斬り落とした時から気付いてはいたが、血が・・・。
あ、やべ。気持ち悪い、吐きそう。
「あの、バケツかなんかあります?」
『ありますよ。どうぞ存分に吐いて下さい』
「お言葉に甘えて、ヴェー!」
あぁ、テレビでよくあるキラキラしたモザイクが欲しい。
分かってる。分かってるよ。そんなもんが無いことくらい。でも欲しいって思うくらいは許して欲しい。
よし、一発思い切り吐いたらスッキリした。
これから嫌という程アレを見ていく事になるんだ。慣れないとな。
慣れるのか?まあ、なるようになるか。
『落ち着かれたようなので次に進ませて貰いますね。ケガをされたようなのでこちらから回復魔法で治します。じっとしてて下さい。〈ヒール〉』
頬から痛みが消え、触ってみたら血が付かず、端末を鏡代わりにして確認する。
「すげぇ、本当に治った・・・」
『これでチュートリアルは終わりです。まだ他にもスキルがあると思うので、次のチュートリアルで会いましょう。あ、そうだ!魔導銃のチュートリアルを受ける前に、魔術の基本講座を受けに来て下さい。では、お疲れ様でした』
何か、最後の最後で言うのもあれだけど、最初に比べてかなり砕けた口調になってたな。
おまけにアドバイスまできっちりしてくれるサービス付きだし。
ていうか、魔術の基本講座なんてあったのかよ!!事実上魔術のチュートリアルじゃねぇか!ないと思ってたよ。
何はともあれ、片手剣のチュートリアルは無事に終わったんだ。今はそれで良しとしよう!
「次は、アドバイス通り魔術の基本講座を受けに行くか」
体術のチュートリアルは受けない事にしよう。ていうか要らないだろ。あれ、そもそもあったっけ?
・・・あ、無いわ。自由にやれって事だな。
よし、着いた。
目の前には、短剣のチュートリアル場所がある。何故持ってないスキルのところにいるのかというと
「やっぱ受けられないみたいだな」
まあ受けられれば儲けものってぐらいのつもりだったから全然良いんだけど。
とりあえずまた情報が増えた。使えるか使えないかと言われれば使わない情報だけど。
さて、今度こそ基本講座受けに行きますか!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます