残夜のアマデウス

森 久都

プロローグ -屠龍-

「ドラゴンスレイヤーとパートナーとか、羨ましいような恐ろしいような」

「はぁ?」

 ウェスリーは頓狂な声を上げて聞き返す。先の言葉を言ってきた同期の男は何やら恐ろしそうな表情でウェスリーの顔を見つめている。

「お前知らないの? ドラゴンスレイヤー」

 言葉そのものの意味を理解していないわけではない、とウェスリーは言いかけるがそれを遮るように目の前の男は続けた。

「ミハル大尉はドラゴンを一人で討伐したんだぜ」

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