第3話【果物狩り的な?】
土鍋の様な形のお城にネギの柱、きのこの屋根、大根の壁につつまれた城主は特製の白菜の椅子に腰掛けていた
鍋奉行「んで?きのこのこと手ぶらで帰ってきたわけか?こんな大人数でいってトマト一匹におめおめと帰ってきたと?」
ため息で白滝のカーテンがゆらゆらと動く。
きのこA「申し訳ございません……異形の者が森を片手に向かって参りまして。」
出汁を一口飲み数百人はいるであろうきのこ達に向かって
鍋奉行「この領地で一番、強く、偉いのは誰だ?」
片膝をついた体が震え始めた。それほど城主の圧力は強大なのである
きのこA「あなた様でございます…」
鍋奉行の椅子の横に一際大きな白い巨体がいた。白い髭を手でなぞりながら
白髭大根伯爵「所詮、有象無象の集まり、きのこ達では勝てませんよ」
奥の扉から白滝のカーテンを掻き分けてさらに大きなきのこがやって来た
肉厚な胸板、大きなカサのその肉体は他のきのこと比べても見た目が強さを証明していた
しいたけ大佐「こんなヒョロきのこ共じゃミニトマトも狩れませんよ」
大男はその自慢の肉厚な腕を組み奉行を睨んだ
ニヤリと笑った奉行はまた出汁を一口、また一口含むと
鍋奉行「ぬん?しいたけ大佐ではないか?珍しいのお、お主が儂のところにカサをだすなんて。」
白髭大根伯爵「では今回は、大佐にトマト駆除を頼まれてみてはいかがでしょうか?」
鍋奉行「ではこれよりきのこ達を引き連れ先導は大佐が務め、トマト村を襲撃して参れ、見事撃ち取ったものには好きなだけ褒美(菌床)をやろう」
きのこ達は立ち上がると、両手を上げて我は我はと声を荒げ活気を取り戻した
しいたけ大佐「では、武装の準備をし明刻4142に作戦を決行する!奉行の顔に泥を塗り我らきのこを侮辱したトマトどもに死の鉄槌を!」
白髭大根伯爵「これは面白いことになりましたねぇ」
奉行「ふん、森の魔物が現れなければトマトなんぞ怖くないワイ」
こうしてトマト狩りが始まった。
きゅうりの槍に大根の盾に身を包んだ総勢1000は越えるきのこ達を率いるは、百戦錬磨最強のきのこと言われるしいたけ大佐
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