いつだってあなたが私を強くする【プロトタイプ】

泥んことかげ

第1話【出会いと見た目】

 目覚めるとそこは、は森だった


 ミフィレン「ここはどこだろ?……」


 辺りを見回し、あることに気づく。

 香ばしく、それでいて懐かしい匂い。


 木々を掻き分け、匂いを辿ってみた


 すると声がしてきた

 小柄を活かして木の幹に沿って隠れると……


 そこには無数のきのこ型の生命体がなにかに群がっていたのだ


 きのこA「へっへっへ、いいじゃねえかよ~」


 きのこB「一口でいいからよ~」


 きのこC「何も減りはしねえだろ?ジュワっと一口で!」


 ようやく異変がなにかを察知した。

 見慣れた手足、姿形はちがえど確かにそこには人(?)と呼べる生命体がいたのだ。


 なぜ?どうして?としゃべる食材に疑問はあったが新しい世界を受け入れる


 良く見ると木々だと思っていたものはブロッコリーそのものでした。


 この木だけ、いや、この森全体が大きなブロッコリーなのだ。


 きのこ達は執拗に「食べさせろ」「一口でいいから」と集団の中心に向かって唱えていた


 きのこ達の中心で声がする


 女の子「やめてください、やめてください、これは村の皆の食料なんです」


 どうやらきのこ達は食料を奪おうとしてるらしい。


 ミフィレンは迷っていた。

 ここには魔力も、助け合える仲間も頼れる精霊もいない


 ただいたずらに時間が経過していく


 きのこA「なんかそこの茂みでガサガサ物音しねえか?」


 一人のきのこが突然そう言い出した


 きのこB「まさか森の魔物じゃねえだろうな?」


 複数のきのこ達が


 こちらに向かい一直線に歩いてくる


 このままだとバレる…

 捕まると何をされるかわからない状況でひとつの答えをだした。




 ミフィレン「私は魔物……森の魔物になるの…」


 隠れ簑に使っていたブロッコリーを一束へし折り、ありったけの力を込め先頭の輩に投げつけたのだ。


 きのこの集団は蟻の子を散らしたように、拡散していった


 集団「なんだなんだ?森の魔物か?!」


 先頭のきのこが押し潰されている

 それを踏みつけながら歩くと集団の中に1人膝から崩れ落ちている女の子がいた


 赤い体、緑のアクセント、細身ではあるが肉付きがよくしっかりとしているように見える


 モブきのこ「なんだ、お前は!見ねえ顔どころか人じゃねえな?」


 そうミフィレンの見た目はこの世界では異形になるのだ。

 だがその異形も逆手に取る


 ミフィレン「わっ私は……この森の魔物!汝達がそこの少女を襲っていたので姿を現わしたのだ!私の森で悪事を働くなら直々に制裁を加える!」


 精一杯の言葉を口にしてみた

 勿論虚勢ではあるが、種が違う言葉にきのこ達は聞き入れていた、、、かと思ったが


 きのこB「あっ?…森の魔物?お前がか?、、、森の魔物っ、つったらあの大乱をおこした……」


 そうこうしているうちに少女は走り出した。


 それを追うきのこ達だが、ブロッコリー片手に立ち塞がるミフィレン



 ミフィレン「私は魔物じゃないけど、困っている人を助けないときがすまないの!」


 そうかっこよく食材をきのこ達に向ける

 目で確認出きるだけでも数十人といる


 ミフィレン「貴方達!、なんであの子を取り囲んでたの?」


 きのこ「はん?あたりまえだろ?ここではな、あの方の命令は絶対なんだよ!」


 襲いかかるきのこ達を右手の森で凪ぎ払う


 数が想定より多いと感じ、両の手で森を二等分にした


 ミフィレン「必殺!ブロッコリーソード!」


 とてもかっこよくなるはずのシーンだが栄養素が多いのはゆうまでもない

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る