第5話 冒険者ギルド 実技試験
受付には金髪美女が座っていた
やっぱり冒険者ギルドと言えばこれだよな
「すみません、冒険者登録したいんですけど」
「はい、登録ですね。では、こちらの登録用紙に記入をお願いします。」
受付嬢はニコニコしながら対応してくれる
登録用紙を受け取り、「名前、年齢、性別」などステータスに表示される内容を記入していく
「主要武器、使用魔法」の記入欄があったので主要武器に剣と槍、使用魔法には火、水、風、土と正直に書いた
よくわからない文字だが問題なく書ける
「書けました、スキルは書かなくていいですね」
「すきる、ですか?すきる、とはなんでしょう?」
スキルを知らないのか?そう言えば鑑定はユニークスキルに含まれていたし、ステータス板に触れてもスキルは表示されなかった
スキル自体の存在が知られていないのか
「いえ、大丈夫です!」
「そうですか·····?それじゃあ確認しますね、·····えっと、これは本当のことを書いていただいていますか?使用可能魔法に火、水、風、土と4属性書かれていますが·····」
受付嬢が凄い疑っている目で見つめてくる
「はい、問題ないです、ちゃんと使えますから」
「冒険者は信用第一ですから嘘を書かれてもあなたが苦労するだけですよ?」
「大丈夫です!」
俺が言い切ると諦めたのかそのまま処理を進めてくれた
「それでは最後に実技試験を受けていただければ登録完了です。試験を受ける費用は銀貨2枚必要です。」
「実技試験ですか?」
「はい、試験はこれから冒険者としてやって行けるかどうかを見るために、現役冒険者かギルド職員と模擬戦をしていだくことになっています。」
「なるほど、お金は魔石払いでも大丈夫ですか?無一文なんで·····」
「ギルドでは買取もしてるので先にそちらを済まされますか?魔物の素材もお持ちなら買い取れますよ?」
「それはありがたいですね!お願いします」
受付嬢に連れられて買取カウンターへ移動する
「それではお持ちの素材、魔石の提示をお願いします。この周辺で倒された魔物ですとホーンラビットでしょうか?ホーンラビットでしたら角が買取素材ですよ」
「はい、ホーンラビットです!それじゃあこれをお願いします!」
そう言ってアイテムボックスがバレないように、ポケットから魔石と素材を出していく
先に情報が貰えて助かった、流石にポケットからホーンラビット丸々は出せないからな
「どの素材もキレイに採取されていて状態がいいですね、これだと少し高めに買い取れますよ」
それはありがたい、アイテムボックスで分解したんだが·····
「それでは、こちらが買取金額です。ホーンラビットとキラースネークの魔石が合計7個とホーンラビットの角6本で、銀貨5枚です。金額には少し上乗せしていますよ」
「ありがとうございます!それじゃあこのまま実技試験をお願いします!」
受付嬢から銀貨5枚を受け取り、そこから2枚受付嬢に渡す
「それではこちらにどうぞ」
受付嬢に着いていくと、ギルドの地下闘技場に着いた
周りには観客席のようなものがあり、闘技場は円形で半径50mぐらいだ
そして真ん中には1人の男が立っていた
「お前が受験者か!俺はAランク冒険者の『レクス』だ!」
男が名乗ったのでこちらも名乗っておこう
「レクスさん!今日はよろしくお願いします。俺はジンと言います」
「そんなんで冒険者になれるのか?冒険者なら上下関係を勘づかれないように敬語で話さないのが普通だ」
敬語を使わないのが普通らしい
上下関係が分からないようにするためらしいが、全員に敬語で話していれば同じ気もするが·····
敬語で話さなくていいのは助かるので、従うことにした
「わかった、よろしく頼む」
「よし!試験を始めるが、丸腰のままでいいのか?資料によると魔法が4属性使える上に、主要武器は剣と槍ってなってるが、お前は何でも屋にでもなるのか?」
何でも屋·····確かに魔法スキルは直ぐに覚えれたけど、まだ剣術や槍術のスキルは覚えてないな
「いや、これからいろんな武器を使って行こうと思ってるから書いただけだ」
「そうか、それじゃあまだ剣も槍ももってないのか?」
「あ、それなら土魔法で、作れるから」
そう言って土を固めて作った剣と槍を作り出してみせた
「!?、、土魔法でそんなこと出来るのか!」
レクスが驚いているが、俺の武器はこれだけじゃない
あの剣がどこまで使えるか、この試験でちょっと試してみよう
「それじゃあ始めようか」
そう言って俺は右手に剣、左手に槍を持って構える
「面白い構えだな、そんなやつ見たことないぞ!」
レクスが大剣を構えながら笑う
戦う前にレクスを鑑定しておこう
【名前 / 性別】レクス / 男
【年齢 / レベル】26歳 / Lv.46
【スキル】剣術:Lv.7 / 身体強化:Lv.4 / 縮地:Lv.4
大剣を持っているだけあって剣術のレベルが高いな
俺がホーンラビットを食べて手に入れた身体強化もスキルとして持っている
それに縮地とか言う知らないスキルがある
<縮地>
相手との距離を一気に詰めることができる
レベルにより距離が変わる(Lv×1m)
大剣を持っているのに機動力があるのか
俺とはかなり実力差があるが、これは殺し合いじゃない、負けるのが前提の戦いだ
できるだけのことはやってみよう
「どうした、来ないのか?」
「いや、準備してただけだ」
そう言うと、俺は足元に剣が5本作り出してレクスに投げつける
剣や槍を作りながら、レクスを中心に走り回りながら投げまくる
「ふっ!はっ!」
レクスは大剣を振り回していとも簡単に防いでみせた
俺が作った武器はどんどん壊されていく
「なんだこんなもんか!量は多いが全部脆いぞ!」
そうだ、この武器は土でできていて全部脆い
「本命はこれだ!」
レクスの背後を取った俺は、手に持っている剣で思いっきり切りつけた
この剣はホーンラビットの角を
「甘いっ!」
『キーンッ!!』
鉄と鉄がぶつかり合う音が響いた
レクスにあっさりと受け止められてしまった
すぐに後ろに飛んで、距離を取って体勢を立て直す
「!?」
レクスが一瞬にして目の前に現れた
『縮地か!!』
俺は慌てて、再度、思いっきり後ろに飛んだ
レクスが横一線に振った大剣が俺の服を切り裂きながら通り抜ける
「ほぉ、今のを避けるか」
「ギリギリだったけどな·····」
正直、本当に危なかった、縮地を鑑定で知って警戒していたからこそ反応できたが知らなかったら体が動かなかっただろう
たかか模擬戦でここまでやってくるとは思ってもいなかったが·····
「楽しくなってきた!次はどんなのを見せてくれるんだ?」
レクスが楽しそうにそんなことを言ってきた
手札なんてもう無い、この世界に来てまだ2日目の俺にそんな期待の眼差しをされても困る·····
「そこまでじゃ!!!」
「 「!?」 」
俺とレクスが声の方を見ると、白髪の老人が立っていた
老人と言っても筋肉が盛り上がり体つきからは歳を感じない白髪じゃなければ老人だなんて思われないだろう
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