傘地獄

青鷺たくや

第1話 1


傘がテーマの実体験を書こうと思う。


僕、直人なおとがまだ幼稚園年長の時。


ブランコを楽しそうに漕ぐ女の子たちはキャンディーズの「春一番」を「♪雪が解けて川になって流れていきます♪」なんて大声で歌っていたっけ。そんな時代だ。


僕の数少ない男子の親友はこうちゃんだった。


孝ちゃんは背は僕より低いが、うりざね顔にさらさらヘアの知的感あふれる才児だった。


スーパーカーの知識は半端なくランボルギーニミウラやポルシェ911など数々の名車のスペックを諳んじて言えた。またガンダムの知識も深く、当時入手困難だったガンプラも親のコネかなんかでほとんど入手していた。戦隊物の超合金もたくさん持っていて僕が遊びに行くたびにそれを惜しげもなく披露してくれた。


僕はそんな孝ちゃんに惹かれてほぼ毎日を一緒に過ごしていた。

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