そばの人

勝利だギューちゃん

第1話

「やあ、久しぶりだね」

えっ、どこ?どこにいるの?


「わからない?君のすぐ近くにいるよ」

近くって・・・わからないよ・・・


「そうね・・・今の君には、わからないね」

どうして?


「君は、大切なものを、しまいっぱなしだから」

どこに?


「君の心の中。君は無くさないように、しまっておいたんだけど、

うっかりさんだから、どこへしまったのか、忘れたんだね」

リスか?僕は・・・


「そう、君はまるで、リス」


リス


リスというのは、木の実やどんぐりなどの食糧を、

大事に土の中に埋める習性がある。

しかし、その殆どを、どこになくしたのか、忘れてしまう。


しかし、そのおかげで、リスの食糧である、木の実や、どんぐりの木がはえてくる。


つまり、リスはその忘れっぽいという習性のより、種を保ってこれたのだ。


うんちくはさておき・・・


大事な物ってなんだろう・・・

それすら、思い出せない。


「まあ、時間はあるよ。ゆっくり探してみて」

探せ出したらどうなるの?


「私は、君の前に現れる」

ところで、君は誰なの?


「さっきも言ったけど、今は言えない。でも・・・」

でも?


「君なら、一目で受け入れてくれると信じてるよ。私の事を・・・」


眼をとじて、心の中を見る。

とても、散らかっている。

心の中まで、無精なようだ・・・


情けない限りだ・・・


一枚の手紙を見つけた。


「君がこれを見つけたと言う事は、まだ、探し物は見つかってないね。

でも、あと少しだね」


大人になると忘れてしまう。

でも、それでいいと思う。


夢の中へ行ってしまえば意味がない。

でも、時には立ち止まってもいいと思う。


しかし、よくもまあ、これだけ散らかっているものだ。

それだけ充実していたのか?

それとも、自堕落だっのか?


いいように取ろう。


忙しくて、整理する暇がなかったと・・・


「それじゃあ、だめだよ」

どういうこと?


「忙しいというのは、心を亡くすと書くの。

もし、それが理由なら、今君は、ここにいない」

じゃあ、どうすれば?


「じゃあ、ヒント。君が大切なものを閉まったのは小さな箱。

でも、その箱は生きているの?

当時よりも、大きくも小さくもなる。

後は、君次第」


手探りで下を探すと、キーを見つけた。


これはもしかして?


「そう、君が大切な物を閉まった箱のキー」


きっかけはつかめた。

後は、探すだけだ。


何年かかっても・・・


「私は、待ってるよ。すぐそばでね」

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そばの人 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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