第8話 夏服の"四季花"誕生

桜木遥人のおかげで、バンドメンバーはすぐに揃った。



ボーカル 日向李真(ひなたりま)

ギター 海藤柊(かいとうしゅう)

ベース 橘カンナ(たちばなかんな)

ドラム 成田楓(なりたかえで)

キーボード 桜木遥人(さくらぎはると)



いきなり登場人物が3人も増えて、読者さんが混乱しているのはわかる。

ごめんなさい。

でも、きっとすぐに馴染んでくれるはず…。



いやいや。

それで、バンドメンバーが集まった経緯だ。



まず、ドラム。

成田楓。

私の親友だ。

彼女だけは私が連れてきた。

楓はブラスバンド部に所属しており、パーカッションを担当。

そして、1話に出てきた桜木遥人と同じ塾の子。

この子が私を桜木遥人との遊びに誘ってくれた。

気さくで明るくて、話しやすい子だ。

ちなみに髪型は、ミディアムヘア。



他のメンバーは桜木遥人が連れてきた。

さすが人たらし…。人脈が広い。



ギター。

海藤柊。

他のバンドで現在、ギターを担当している

バンド経験者。

彼は、桜木遥人とよく一緒にいる子だ。

雰囲気はお調子者で、面白い子という感じ。

だれとでも分け隔てなく話し、

クラスのムードメーカー的存在である。

だけど、綺麗な顔はしてると思う。




そしてベース。

橘カンナ。

バンド経験は不明…。

そして、彼女と桜木遥人との関連も不明…。

ミステリアスで、ストレートのロングヘア。

口数少ない。



とにかく、こんな感じのメンバーが集まった。



リーダーは桜木遥人だ。




「皆、集まってくれてありがとう!

突然だけど、バンド名はどうしようか?」

桜木遥人が皆に聞いた。

放課後の教室。

黒板には全員の名前が横書きに書いてある。



「あ行なしバンド(笑)」

海藤くんが言った。

「あっ!ホントだ~!名字の頭がか行~は行で揃ってる!!」

楓が乗っかる。

(この話の冒頭のバンドメンバーの名前を見ると、それがわかって楽しめます。)



「そんなバンド名、嫌なんだけど…。」

気だるそうに橘さんが言った。

「はい、ごめんなさい…。」

「名前の共通点なら…はい!」

私は手を挙げた。

「日向、なんかある?」

桜木遥人が私に意見を求めた。

「黒板の漢字見て考えたんだけど…。

全員に季節の植物の名前が入ってるよね?」

「植物?」



ボーカル 日向李真(ひなたりま)

…【向日葵(ひまわり)】夏

(名字の1、2文字目が逆だけど)

ギター 海藤柊(かいとうしゅう)

…【柊(ひいらぎ)】冬

ベース 橘カンナ(たちばなかんな)

…【橘(たちばな)&カンナ】

5~7月&一年中

ドラム 成田楓(なりたかえで)

…【楓(かえで)】秋

キーボード 桜木遥人(さくらぎはると)

…【桜(さくら) 】春



「李真、すご~い!そんなこと、全然知らなかったよ!桜と楓ぐらいしかわからなかった(笑)」

「昔、お花が好きで調べたことがあって。

育てるのは苦手なんだけどね(笑)」

「それはわかる(笑)李真の性格からして(笑)

李真って優等生だけど、

コツコツ積み上げる作業苦手だよね(笑)

早く結果出したいタイプ(笑)」

「楓!」



「でもそれ、すごい共通点じゃん!な、遥人!」

「そうだな。で、肝心のバンド名はどうする?」



「Flowers…」

「Seasons…」

「日本語にして四季花(しきばな)とか…?!ないか!」

私はぶつぶつとバンド名候補を呟く。



「いや、悪くないんじゃない?」

「え?」

「英語のバンド名って多いし、日本語は逆にインパクトあるよ!」

「そうかな?!」

「おもしれー(笑)」

「李真、すごいセンス(笑)」

桜木遥人が同意したと同時に、海藤くんと楓も賛成?してくれた。

あとは…



「橘さんは…どう思う?」

すると、力強い目で私を見て、

「…いいんじゃない?」

この言葉の前に"どうでも"が入る気がしたけど…。

とりあえず、全員賛成!



「じゃ、これでいい?桜木くん…。」

「おう!」



「夏服の"四季花"誕生だ!!!!!!!!」



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