『捨てられた御漬物』

やましん(テンパー)

『捨てられた御漬物』

 


 ぼくたちは、工場で上手に刻まれて


 袋に入れられた、御漬物。


 今日、やましんさんに買われた。


 やっと、食べてもらえる日が来たのに・・・・・


 やましんさんは、近眼で乱視で老眼で、目がよく見えていないらしい。


 ぼくたち、三本の御漬物の切れ端は、袋に残されたまま、ゴミ袋に入れられた。


 「ぼくたち、どうなるんだろう?」


 「さあて、ぼくたちは、捨てられたんだ。きっと、あっつい釜で焼かれて、おしまいさ。」


 「そんなのいやだ、食べてほしい。」


 「しかたがない、運命なのだから。」


 「ぎゃ~~~~~! いやだよ~~~。焼かれるの嫌だよ~~~~~。食べてよお~~~~~~。助けてよお~~~~~~~」


 ぼくは、必死で叫びました。


 ああ、すると、奇跡が起こったのです。


 やましんさんが、ごみ袋から、ぼくらを救い上げ、入れものに移し替えてくれたのです!


 ああ、やはり、願いは通じるものなのです!


 「よかたなあ!」


 三本が、うれしくて、お互い言い合いました。



   ********    ********



「あああ、もったいな。まだ残ってたよ。最近、決して安くないんだからね。」


   


    ********** 🥒 **********







 








 









 

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