時空の旅人~Memory~
櫻井 理人
序章
Memory
「
雪のような白い肌、絹糸のような艶のある黒髪の女性。彼女は、包み込むような優しい声で、目の前にいる
「母上!」
悠が彼女に両手を伸ばし、抱っこをせがんだ直後、
「
女官が彼女を引き留める。
「悠、また後でね」
「母上……」
悠は、去りゆく母親の姿をじっと見つめていた。
――あなたは……。
「バサッ」
布団を蹴り上げるようにして、リン・ユーは飛び起きた。
辺りを見回し、景色を確かめる。目の前にあるのは、いつもの寝具にテーブル、棚……普段と何ら変わりはなかった。ただ一つ、先ほど見た夢の中の景色を除いて。
「母上……」
そう一言呟くと、彼は再び横になった。
「今になって、なぜこのような夢を……」
自らの胸中に複雑な感情を押し込んだ……あの時と同じように。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます