( )
逃

前のエピソード――手

すれ違う他人の中に

君の( )を見つけた気がして

足が止まった

そういえば

今日みたいに寒い日だった

君が他人に変わったのは

いつでも傍（そば）にあった

温もりも、笑顔も、熱も

今は知らない誰かに向けられている

居ても立っても居られなくなって

不意に駆け出した

追いかけているのか

逃げているのか

たぶん

どちらも正しくて

どちらも認められない

弱虫で卑怯（ひきょう）な私

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る

次のエピソード解