第28話 ワルキューレの花

ナギは優也の元へと歩み寄る…「優也さん…」


「ああ…ナギさん…」


僕はナギさんの後ろの男性に気付いて会釈したが、

男性は目をそらしてその場所を後にしてしまった…


「…ムラサメ!…すみません。弟は誰にも無愛想なんです。」


「いえ…お気になさらないでくださいね。花を摘みに来られてたんですか?」


「ええ…あの白い花です。


あの花の名前は〝ワルキューレ〟と言って何万本かに一本だけ真っ赤な花が咲くのです。


それを見つける事が出来た時に自分の進むべき道が決まると言われています。後、花言葉もあるんですよ…」


「へえ…お詳しいんですね…」


その時、ミスが僕の足下に近づいてきた。


「どうしたの?」


「ママがね、ランチにしましょうって…」


「そうだね。分かったよ…じゃあ王宮に戻りますね…失礼します…」


僕は踵を返して王宮へと向かった。


ナギはいつものようにただその場所から優也の背中を見送る…その時、偶然優也の足下に真っ赤なワルキューレを見つけた…


優也がその場から立ち去った後、ナギはその真っ赤なワルキューレを摘むのだった。


そしてギュッと口唇を噛み締めた…その姿をムラサメは木陰からじっと眺めていた…



ナギとムラサメはソーディア王宮に戻った…


「姉ちゃん…あの男やろ…姉ちゃんが気にしてるのは…」


「えっ?な、何の事?」


とぼけんでもええで。あの男が好きなんやろ?見てたらわかるわ!でも子供連れてたなぁ…」


「そ、そんな筈無いでしょう。だってあの人はティナの…」


「えっ?ティナちゃんの旦那さんか…そうか…ほんならこっちが少々分が悪いっちゅうことやな。しかし…まぁええわ…」


「ムラサメ…あなた…何の話をしているの?」


「ワイはソーディア王国の王子やで。元々、ソーディアの男は欲しい物は奪い取ってきた…金も、地位も、名誉も…そして大事な人も…」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る