186話 怪我の功名

 更新が遅くなってすみません。大学のことでいろいろあり書く時間が無くなっていました。これからも頑張りますのでよろしくお願いします!





 葵が手に持っていたものが落ちた。それは紙みたいなもの。裏返しになってるのでよくわからない。


「あわわわっ! 祐くん見ないで!」


 急いでその紙を回収しようと椅子から手を伸ばしたところで…


「うわっ!」


 ガシャーン! バランスを崩して葵は椅子から転けてしまった。


「大丈夫か葵! 怪我はない?」


 葵を抱き寄せる感じで大丈夫かどうか確認する。痛いような顔はしてないしよかった。ここで手首を捻挫したとかなったらどうすることか。


「うん。どこも痛くないし大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」


 ニコッと笑顔を見せてくれる葵。良かった良かった。葵が笑顔を見せてくれて。


「ならこのまま起こすよ」


 お姫様抱っこみたいになっていたのでそのまま葵の体を起こそうとした。でも葵の声によって俺は起こすのを中断した。


「このままこのまま。ほら、こんなに私たち近い」


 そう言うと葵は俺の首に腕を回してきた。俺は葵の背中に腕を回していて何もできない。


「葵っ! ちょっと大丈夫なら起きてよ」


「いやいやー! こうやってぎゅーってしていたいの! それにこうやってキスだってできるんだよ」


 そのまま葵に唇を奪われた。


「えへへ。これが怪我の功名だね」


 いや、葵さっき怪我してないって言ってたじゃん。でもその嬉しそうにニヤけた葵の顔。


 次は俺の方から葵を引き寄せるようにキスをした。


「嬉しいなぁ。たまにはこうやって椅子から転けて見るのもありだね」


「いやいや、全然ありじゃないから。ってそういえば葵が取ろうとしてたやつってなんなんだ?」


「それはね〜。なんだろね〜」


 さっきのえへへって感じとは一転、冷や汗だらだらの葵。そんなにやばいものなのか?

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