小学生の時にした約束はいつまで有効ですか?〜俺は彼女と同じでデレデレです〜

九条 けい

1話 プロローグ


 小学校6年生の夏。スポ少で県1位になった試合を最後に俺の幼馴染は、俺といくつかの約束をしてバッテリーだった俺を置いて転校して行った。それから5年間、俺と幼馴染は1回も合ってない。


 県立十二条高校、県内でも有数の進学校だ。そんな学校のハードボールに所属している、エースである俺、神子戸祐輔(みこと ゆうすけ)が嘆いていた。


「先輩たちが引退した今、おれたちの部は人数が足りん。とても深刻だ」


 副キャプテンの風間進(かざま すすむ)も


「しかもキャッチャーとかやばいな。1年生入って来なかったしほんとこの部も終わりかぁ。後1人なんだけどな」


 俺と進は小学校からの付き合いだ。ちなみに他の6人も小学校からの付き合いでずっと一緒にハードボールをしてきた仲間だ。それも俺以外みんな彼女持ちと言うのだからやってられたもんじゃない。7人が彼女持ちでおれだけが独り身とかどんなことだよ。フツー逆だろ。しかもみんな彼女とずっといるのではなく部く活もしっかりこなしている。イケメンで運動神経も良くその上彼女持ちと言うラノベ主人公が7人もここに揃ってしまっている。


 ハードボールとは野球を小さくした版と思って欲しい。ボールが硬くなく安全性が高いことから日本でも10年前くらいから流行りだし、今では競技人口が10万人を超える規模だ。しかし流行ってないところではとことん流行ってなく、十二条高校では廃部の危機に晒されていた。


「若宮がいればなぁ」


 何気なく進が言った一言が部室の空気を一転させた。


「あぁ、そうだな。もう会えないのかな」


 そう俺の初恋の相手、小学生の時の最強バッテリー。今なお俺が思い続けているひとだ。別れ際にした約束だけを糧にして。このことは他の7人も知っている。俺たちがどんな気持ちだったのかと言うことも。


「祐輔、もう諦めたらどうだ?お前の気持ちもわかるけど周りにはお前に好意を寄せてくれる女の子が結構いるだろう」


 実際、俺はモテると思う。成績もトップクラスで生徒会の会計庶務。顔も悪くないと信じたい。


「まぁそうなんだけどさ、もうちょい待つよ。おれは約束したんだ。一個言っとくけど、おれは全然苦じゃないからな?そこは間違えんなよ?」


「はいはい、そうだったな。じゃあ部活するか!最悪8人で試合出ればいいんだし」


 そう言ってグランドに出て行く8人を見るこの学校の制服ではない少女がいた。


「やっと会えた。久しぶり祐くん。また、ハードボールしようね?」


 誰に言ったわけでもないヒトリゴト。でも、確実に歯車は動き出した。




こんにちは。九条 けいです。読んでくださりありがとうございます。もし良ければ「妹(義理)と暮らしていきます」という小説も書いておりますので読んでいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

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