呪いの歌

@jar

第1話 呪いの歌が聞こえる

SNSから呪いの歌が流れてくる。

僕はアプリを閉じ、外に出た。

心を落ち着かせるためお茶にしようとコーヒーショップに入った。

コーヒーを飲んだら少し落ち着いた。氷の音が心地いい。

「ねぇ、あの歌知ってる?」

フイに後ろの席の女子高生の会話が耳に入る。

「知ってる、知ってる。呪いの歌でしょ?」

僕はあっと思い立ち上がろうとしたが遅かった。

女子高生はスマホの音をオンにし、呪いの歌を流し始めた。


コーヒーを急いで飲み干すと外にでた。

耳を塞いでしまえばいい。イヤホンを耳にさし適当な音楽を鳴らした。

だが、僕の脳内では音楽は素通りし、呪いの歌だけが鳴り響いていた。


時間が解決してくれる。

忘れよう。

こんな時は他の事を考えてそれで埋めてしまえばいい。

僕は本屋に向かった。

本屋の幟が見えた。売り出し中の本だろうか?

『勝者の呪いからみる経済学』

足を止め角を曲がった。

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