039
そのまま進むと、丁字路だ。
知らない魔力は左からだ。
それは最後にとっておき、右側から攻略する。
途中でオーク1体と遭遇した。
クレアが速攻で倒すのだが、ゴブリンの洞窟でなくて安心した。
30メートルくらい奥に行くと、オーガが3体食事中のようだ。
部屋の真ん中には骨や肉片が放置されている。
オーガもムシャムシャと肉片をかじっていた。
「クレアは左のを、俺は右をやる。
マリア、もし真ん中のが逃げようとしたら、時間稼ぎを頼む」
「「はい」」
3.2.1。GO
一斉に斬りかかる。
相手は座っているので、頭が狙いやすい。
<魔闘技>を使って、頭を振り抜く。
オーガの頭がぐちゃっと潰れて、肉片が後ろの方に飛ぶ。
クレアは素直に喉に突きを入れて倒したようだ。
真ん中のオーガは、ようやく気づいたようで、棍棒を持って、立ち上がった。
だた、俺たち二人に挟まれてしまっている。
俺もクレアも左右から一度に襲いかかり、どちらも太ももに斬撃を放った。
クレアの方は皮一枚という所だが、俺の方はかなり深く切り裂いた。
オーガはバランスを崩し、左膝をついた。
俺にはそれで十分だ。首を薙ぐ。何の抵抗も受けなかったように首が飛んだ。
ここもただの寝所だったらしい。
とすると、メインは丁字路の反対側だ。
俺の<魔力感知>で何かわからない反応のやつだ。
T字路に戻ると、二人にこの先には今まであった事のない魔物がいる事を説明する。
数は1体だ。
「幸いダンジョンの各部屋は潰してあります。
逃げ帰ることになっても、まっすぐ帰れるでしょうし、問題ないのではないでしょうか」
「そうだな。
どんな敵かわからないから、見て、何かわかったら教えてくれ」
俺たちは見た事のない魔物に向けて歩き出した。
30メートルほど歩くと、部屋にたどり着く。
中を覗くと魔物がいない。代わりに部屋の真ん中に剣が刺さっていた。
俺の<魔力感知>で感じたのはこの剣らしい。
剣は神聖な感じがするが、剣の下からは禍々しい感じの黒いもやが漂っていた。
<鑑定>すると、「封印の剣」とでた。
何かを封印しているらしい。
下から湧いている黒いもやを<鑑定>すると、「瘴気」と出た。
瘴気とは大量に人が死んだ場所や、魔力だまり、高位の魔物が死んだ場所などに発生する。
ここで言えば、瘴気の元となる高位の魔物が封印されていると考えられる。
うん、これは俺たちの仕事じゃないな。
「クレア、マリア、俺たちの仕事はこれまでだ。
後の調査はギルドや学者連中がやるだろう。
多分その剣に封印されている何かが、発生させている瘴気が魔物になっているんだろうが。
まぁ、俺たちには関係ないな。
報告に戻るぞ」
俺たちは夕方にはギルドに着いた。
「キャシーさん、洞窟の調査が終わりました。
少し込み入った話になるんですが、別室でよろしいでしょうか?」
「わかりました。
応接室にご案内します」
キャシーさんは他の受付嬢に声をかけて、俺たちを案内してくれた。
「それでどういった内容でしょうか」
「俺たちは地図通りに行って、洞窟はありました。
そして入り口には大量のジャイアントバットが生息していましたが、網で捕獲して倒しました。
その後、分岐のたびに曲がり、すべてのマップを埋めていきました。
出てきたのは、ゴブリン、オーク、オーガです。
最後に、突き当りの丁字路を左に行った部屋にあったのが、封印された何かです。
剣は神聖な感じのするもので、剣の下からは、モヤのような、おそらく瘴気が吹き出していました。
魔物が増えているのだとしたら、この瘴気のせいでしょう。
だけど、剣が封印しているとしたら、無闇に抜くわけにも行かずに、この依頼を終了したとみなしました」
「なるほど、神官や錬金術師も連れていく必要がありますか。
ジンさんが今回書いた地図は提出いただけませんか?
依頼に多少は色をつけさせていただきます」
「いいですよ、ただ、シンプルな洞窟だったから、口頭でも十分わかりますよ」
「念のためです」
「じゃぁ、これです。
入り口から5メートルほどで天井が高くなりました。
曲がり角はここと、ここと、ここの丁字路です。
右がオーガ、左が、問題の剣がある場所です」
「距離はどの位でしょうか?」
「左右のゴブリンは10メートル程度、T字路の先はどちらも30メートル。奥行きは100メートルくらいですね」
「ありがとうございます。
おそらく、神官や錬金術師に護衛を付けて、再度調査に行くことになるかと思います。
今回はご苦労様でした」
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