2019年 第32回全国大学選抜選手権大会 観戦記 V1.1

@MasatoHiraguri

第1話 はじめに

 2019年6月16日(日) 第32回日本拳法全国大学選手権が、東京武道館(日本武道館ではない)にて行われました。

 

 部外者の私にとって、勝った負けた・優勝するしないという話は別にして、いつでもスカッとする拳法を見せてきてくれた明治大学。 私のような一般の観客が安心して見ていられるこの学校が、今大会はなんと(5回戦うところが)2回戦で敗れ、しかもその試合内容たるや全くのいいとこなし。完全に肩すかしをくらったような気分でした。


 又、女子の試合にしても、「関東お嬢様軍団」は、銭婆(ぜにーば)率いる「関西お姉様軍団」にあしらわれ蹴散らされ、大学から日本拳法を始めた関東女子ならではともいうべき、スマートで切れのいい戦いぶりを10パーセントも発揮できず、いわば消化不良・機能不全的な敗北を喫してしまいました。


 もちろん、今回明治を圧倒した龍谷のお株を奪うかのような中央大学男子チームの元気の良さと、地味でストレートな女子の超お真面目拳法は、この大学の勢いが盛り返してきている予兆を見るようで、めでたいことです。

 また、早稲田の骨太拳法の復活も楽しい限りで、今年の12月1日に控えた第64回全日本学生拳法選手権大会(府立、全日)では、各大学による群雄割拠の面白さを期待させてくれるに十分な出来事を沢山見ることができました。


 しかし、なんといっても今大会で私のカタルシス(心の浄化)となったのは、明治のOさんと青山のOKさんという女子2名(の面突き)でした。

 要は、彼女たちの素晴らしい面突きを見て、「ああ、ここに来てよかった」と満足して会場を去ることができたのです。

 このお二人はスロースターター(エンジンの掛りが遅い・その機能を発揮するのに時間がかかる)らしく、今年の5月11日に大森で行われた第32回東日本大学リーグ戦の時から始めて、この6月16日、全国大学選抜選手権大会における関西女子チームとの戦いという最終ステージでようやくエンジンがかかったようでした。

 その意味で、4年間かけて醸造されてできあがり、それが更に一ヶ月間、倉の中で熟成され、コクと風味が増した酒を味わえたようなものかもしれません。


 2019年6月22日

 平栗雅人
















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