森に住む罪人
上条忍婭
第1話
10年前、私は恋をした。
名前も居場所もわからない人に…。
わたしは5歳のとき、目の前で家族を皆殺しにされた。父は刃物で殺され、母は首を絞められ、兄は全身の骨を折られて死んだ。
私はその時ちょうどかくれんぼをしていて、クローゼットに隠れていたから助かった。
犯人がいなくなったあと、私は隣人に助けを求めた。
刑事や鑑識が来て色々聞かれた。
どうしてこのようなことが起きたのか、犯人に心当たりはあるのか、君はどうして助かったのか、どれも5歳の子供に聞くことではなかった。聞かれたことには全て答えて私は安全のため当分の間警察の監視下にいることが決まった。
約2週間後、犯人が捕まった。
犯人は幼い頃から両親に虐待をうけて育ったせいか精神病質、いわゆるサイコパスだと診断されていた。
精神的な障害を抱えていたからか、彼には9年の懲役というとても軽い罪にしかとわれなかった。
私は彼が捕まったということで、祖父母の家で暮らすことになった。彼女たちはとても優しく穏やかで私は充実した日々を過ごし、無事に小学校を卒業して中学生になった。家族を殺されたこと以外平凡な毎日だった。中学校を入学して友達もできて、毎日が普通に楽しい日々だった。
そしてあっという間に1年が過ぎた。
そう・・・・・・・・・・・あの男が出所する年に。
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